矢板市佐山さん
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 定年になってから田舎暮らしを始めたのでは体力的に大変だろうと、会社の早期退職制度を利用し50歳で会社を辞めました。翌年、この場所に約7000坪の土地を購入、土地整備から始めて店舗兼住宅が完成しカフェをオープンしたのは退職から5年後の平成18年です。
  「なぜ塩谷にしたの?」と聞かれることが多いのですが、実は、この土地を紹介されるまで塩谷の「し」の字も知らなかった。広い土地が欲しかったので最初は北海道とも思いましたが、家族や友人から「もっと近いところにしろ」と。高原山麓のこの場所を見た瞬間、一目で気に入りましたね。ここには、鹿や野うさぎなどたくさんの野生動物がいる豊かな自然があります。そして何より水がいい。名水百選に選ばれた尚仁沢湧水がありますから。
外観
 
 こうしたお店をやろうというのは、以前から夫婦である程度イメージしていました。勤めていた時から少しずつ食器を買い集めたりして。「ゆっくりゆったり豊かな心」という夫婦なりのスローガンがあって、思い描く夢を少しずつ実現しているのが、この「風だより」なんです。
  こんな山の奥ですが、おかげさまでお店にはたくさんのお客様に来ていただいています。中には三世代ご一緒にいらっしゃるご家族もいて、皆さんで楽しくお食事をされていきます。そうしたお客様の姿を見ると、とても嬉しくなりますね。

喫茶店
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  よく「ここは、東京に一番近い本格的な田舎」と言っているのですが、この地域には多くの可能性があると思います。例えば、標高750メートルという高冷地の特性を生かした花豆やそばといった農作物を作る。また、農業体験ができるドイツのクラインガルテンのような菜園を整備しグリーンツーリズム的なことをやれるのではないか、などと考えています。
はしる
機関車
  昨年、横浜から小学生の農業体験を受け入れましたが、後で子どもたちからすごくいい感想をもらったんですよ。すぐに地域全体で取り組むというのは難しいと思いますが、ひとつひとつが先行事例のようになって徐々に広がっていけばいいですね。
  今の夢は、農業と鉄道をメインテーマにした新しいタイプの「観光鉄道農園」を創ることです。ここに集まった人同士が交流し、情報交換できる場を提供していきたいと思っています。
  機関車