「青年就農給付金」を有効に活用して、力強い本県農業を確立しましょう!!

 今回、御紹介する内容は、「青年就農給付金」についてです。

 本県では「農家の後継者だけど、親とは違う作物を作りたい。」、「親の農業経営を継承したい」、「将来の就農を目指して、研修を受けたい」などの希望を持ち、リスクを負って栃木県内で農業経営を志向する皆さんのチャレンジを応援します!

 この事業は、青年の皆さんの就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、就農前の研修期間(2年以内)及び経営が不安定な就農直後(5年以内)の所得を確保する給付金として、国が平成24年度に創設したものです。

  この事業の給付対象は、新規に農業を始めるため研修を行う方や新規に農業経営を開始する方が中心ですが、一定の要件を満たして45歳未満で「独立・自営就農」を目指す方であれば「親元就農」でも対象となります。

 詳細は、市町村又は農業振興事務所にお問い合わせください。

  
 給付を受けるためには、一定の要件を満たすことが必要です。詳しくは、以下の「早わかり(準備型)」、「早わかり(経営開始型)」を御参照ください。
 

  

【問合せ先】
経営技術課経営体育成担当
電話  028-623-2317
メール agriinfo@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄りの農業振興事務所経営普及部まで

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

稲わら・稲発酵粗飼料(稲WCS)の利用について

 今秋は天候不順でなかなかいい天気が続きませんが、稲わらの収集や稲WCSの収穫は終わりましたか?

 さて、栃木県では昨年の福島第一原子力発電所事故以来、飼料作物の安全性を確認し、流通・利用の可否を判断するために飼料作物の種類ごとにモニタリング検査を行ってきました。
 

イネWCS収穫作業飼料イネの給与

 平成24年産の稲わら・稲WCSについても、9月10日から10月31日にかけてサンプリングし、分析した結果、県内すべての地域で暫定許容値(牛用飼料100Bq/kg・水分含量8割ベース)以下となり、流通・利用が可能となっています(下表参照)。  

平成24年産稲わら・稲WCSのモニタリング検査結果 

 モニタリング検査結果の詳細は県HP(http://www.pref.tochigi.lg.jp/g06/houdou/24inewcs2.html)をご覧ください。

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       ★★★皆様に今後注意してもらいたいこと★★★

 これから稲わらの収集、稲WCSの収穫を行う場合は、次の点に注意しましょう!

【その1】
 雨水が土壌表面に落下して、そのはねかえりにより汚染された土壌が稲わらに付着するなどの影響を最小限にするためにも、できる限り早い時期に収集・収穫してください
                「極力 年内に収集を!」

 「稲わらはほ場に長く置いて雨に当てたほうがアクが抜けていいわらになるんだ!」と思っている方はいませんか?

 放射性セシウムが降下してしまった現状では、長く置くほど汚染リスクは高まります。リスク低減のために、なるべく早く収集しましょう。

【その2】
 収穫時に泥はねなどがない様、田面が固まり、稲わらが乾燥してから収集作業を行ってください。

【その3】
 反転作業はテッダの速度を落とし、土壌を巻き上げないよう丁寧に行ってください。また、可能な限り反転回数を少なくしましょう。

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  永年生牧草が県内6市町で給与自粛となっていることや野草が県内全域で給与自粛となっていることから、稲わらや稲WCSが貴重な粗飼料となっている農家の皆さんも多いと思います。 

 稲わらの収集、稲WCSの収穫を行う場合は、収穫調整に細心の注意を払って、放射性物質の影響の少ない粗飼料の確保・利用に努め、経営の安定化と安全・安心なとちぎの畜産物の生産を進めていきましょう。

 また、利用する稲わら・稲WCSの放射性セシウム濃度を確認したい方は、管轄の農業振興事務所で検査することができます。

 検査を希望する場合は、事前に最寄りの農業振興事務所に相談してください。

【問い合わせ先】
  畜産振興課環境飼料担当
  TEL:028-623-2350 FAX:028-623-2353
  メールアドレス chikusan@pref.tochigi.lg.jp

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品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その3)

3 排水対策の徹底

   麦は湿害に弱い作物ですので、播種前に排水対策を徹底させる必要があります。排水対策のポイントは、①排水溝設置により地表排水性を良くすることと、②心土破砕等により浸透排水性を良くすることを、併せて実施することです。

   排水溝の設置は、「その1」の項でも述べたように、圃場周囲に額縁状に排水溝を設置し、圃場外の排水路に繋げます。

   排水施工と二条大麦の収量右の図は、浸透排水性を高めるための排水施工の有無と麦の収量の関係を示したものです。無処理に比べて本暗渠を施工すると収量が増えます。

 本暗渠と組み合わせて心土破砕を行うと、更に収量が増えます。

 つまり、排水対策の手間をかければかけるほど増収に結びつき、排水対策がいかに重要かが理解されると思います。

 

   最近では、心土破砕機の性能が優れ、作業スピードが5~6分/10aと格段に速いです。

 降雨後の土壌の乾きが早くなるので播種作業の効率も上がります。スタブルカルチやプラソイラがおすすめです。

   排水溝は設置できても心土破砕機がどうしても利用できない場合や、排水溝+心土破砕でも排水対策が不十分な場合は、畝立て同時播種栽培を組み合わせる方法があります。

 畝立ての方法は、ロータリ後方に畝盛り板、簡易溝切り板等を取り付け、畝を立てながらシーダーで播種します。

 ただし、溝際の条の生育が悪くなったり、深播きになりやすかったり、溝の部分が広いと生育ムラになったり、雑草が発生しやすくなるので、下の写真のように、ロータリの端から20~25cm内側の位置に最外部のシーダーをセットします。

畝立て同時播種

 

  また、麦作を団地化することも有効な排水対策になります。

 例えば、4月下旬になると各地で一斉に田んぼへの入水が始まります。すると、いわゆるバラ田の麦圃場では、てきめんに地下水位が上昇します。

 団地化することで面的に地下水位を下げることができます。

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4.土づくりと施肥管理

   麦は昔から「肥料で獲る」と言われますが、土づくりの土台があっての施肥技術です。   

土壌phと収量性との関係

  最近、葉が黄化したり、茎数不足になっている圃場をよく見かけます。

 右図のように、麦の適正pHは6.5~7.0です。特に、水稲収穫後はpH5.0~5.5になっていることが多いので注意して下さい。

  pH5.5以下では生育不良になり、5.0以下では急激に減収します。

  基本的には土壌分析して土壌pHを診断しますが、標準的な施用量は、苦土炭カル60~100kg/10aです。

    黒ボク土、気温の低い地域(低温年)では、燐酸を増肥し、根の発達や分げつの発生を促進させると生育が良くなります。

 燐酸成分は、く溶性・水溶性がバランス良く配合されていると効率的なので、苦土重焼燐がおすすめです。土壌分析で可給態燐酸を診断し、不足分を土づくり資材で補って下さい。 

   麦は苦土の要求度も高い作物です。

 苦土が不足すると、葉に黄化が生じます。特に二条大麦の止葉が早期に黄化する現象は苦土欠であり、光合成不足となり、粒の充実が悪くなります。

 また、苦土欠の状態では燐酸が十分に存在しても吸収できなくなってしまいます。

   よって麦の栽培には、石灰質肥料、燐酸質肥料、苦土肥料が不可欠です。

 この3者が予め配合された資材として、「OM-37」あるいは「健康大地」というのがあります。どちらかを毎年10アール当たり現物で4~5袋施用し、土づくりに心がけて下さい。 

   良質堆きゅう肥の施用も土づくりに有効です。

  特に畑地で連作すると、塩基バランスが片寄り、麦の生育が悪くなりがちですので、未然に防ぐために積極的に良質堆きゅう肥を施用して下さい。ただし、未熟堆肥の施用は百害あって一利無しです。

   数年前の肥料高騰以来、安価な肥料(オール14タイプ)を使用するケースが多くなっていますが、窒素成分に合わせた施肥設計にするので、オール14タイプでは燐酸不足に陥り、麦の生育が悪くなってしまいます。

  本県では、タイプの異なる優れた麦専用基肥肥料が用意されていますので、麦を栽培するに当たっては、必ず麦専用肥料を使用しましょう。

麦作には麦専用肥料を

 

最後になりますが、この情報が皆様の「儲かる麦作り」の一助になれば幸甚です。

 【問合せ先】
経営技術課技術指導班 電話028-623-2322 メールagriinfo@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄りの農業振興事務所経営普及部

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品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その1)
品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その2)

 
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品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その2)

では、本題に戻り、重要4項目について順に説明します。

1 適地適作     
2 適期作業の実践  
3 排水対策の徹底  
4 土づくりと施肥管理
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1.適地適作

    本県の麦作地域の環境条件は意外にも多岐にわたります。品質と生産の向上・安定化を目指すには、麦の用途を十分考慮して、地域に適した麦種・品種を作付けすることが重要になります。

   まず、気象条件から見てみましょう。本県の麦作地域は南北に約80kmにおよび、麦生育期間の平均気温を見ても県北(大田原観測所)と県南(佐野観測所)では1.4℃の差があります。

 下図は、収穫の適期作業から麦作適地を判断したものです。収穫時期の雨害による品質劣化を考慮し、大麦の収穫晩限を6月14日、小麦の収穫晩限を6月20日としますと、3~5月の積算平均気温が、大麦の場合は950℃以上、小麦の場合は1050℃以上必要になります。

 したがって、大麦栽培適地の北限は大田原市北部、小麦栽培適地の北限は宇都宮市となります。

 ただし、小麦は農林61号を用いての試算ですので、最近の早生品種の場合、北限がもう少し延びます。

 いずれにしても、「適地」を考えて麦種を選ぶ必要があります。

 麦類の適地

 

   麦種や品種によって求められる品質が異なるので、前作・地目や土性も重要です。

   水稲作付け後の圃場に作付けすると、蛋白含量が低くなるので、ビール用二条大麦、精麦食用六条大麦(二条大麦)、製粉(日本麺)用小麦が適します。

 一方、畑(固定した転換畑も含みます)に作付けすると、蛋白含量が高くなるので、パン用小麦、醤油用小麦が適します。

   同じような理由で、土性の違いも大きく影響します。低地には比較的灰色低地土が多く分布し、台地には黒ボク土が多く分布しています。

 灰色低地土に作付けすると、蛋白含量が低くなるので、ビール用二条大麦、精麦食用六条大麦(二条大麦)、製粉(日本麺)用小麦が適します。黒ボク土に作付けすると、蛋白含量が高くなるので、パン用小麦、醤油用小麦が適します。

 

地形から判定した麦類の適地

 用途別の麦の品種

 

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2.適期作業の実践

  各作業には適期があります。特に播種作業と収穫作業は重要で、播種適期を外すと、生育に大きく影響しますし、収穫適期を外すと、品質が大きく劣化します。

 作業別労働時間(ビール用二条大麦) 麦作の作業別労働時間は概ね右のようになります。

 適期作業をするにあたって時間がかかるのは、種子消毒、施肥・播種、除草剤散布(播種直後)の一連の播種関連作業です。

 本県の播種適期は10日間ですので、農業従事者2人での作付け規模の上限は9.4haになります。

 これ以上の作付け規模では、雇用確保および更なる機械装備が必要です。

播種関連の作業にかかる労働時間

 地域別の播種作業の適期

   また、収穫作業の適期は概ね6日間ですので、農業従事者2人での作付け規模の上限は8.7haになります。

 これ以上の作付け規模では、雇用確保および更なる機械装備が必要です。

 また、収穫時期の異なる大麦と小麦を組み合わせることで作業分散を図る工夫も必要になります。

 収穫作業にかかる労働時間

 

   前述したように、播種作業が遅れると収量が低下し、収穫作業が遅れると品質が低下します。ご自分の経営内容を今一度見つめ直して下さい。

 

~各課題の解説は「品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その3)」に続く ~ 

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品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その1)
品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その3)

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品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その1)

    麦播きの季節になりました。あちらこちらでトラクターを走らせ播種作業する光景を目にしますが、本県では11月が麦播きの最盛期になります。そこで今回は、麦の栽培技術の話です。

   本県は言わずと知れた全国有数の「麦作県」で、約5,000経営体が約14,000haに二条大麦、六条大麦、小麦などを生産しています。

   ところで、最近は麦が昔ほど穫れないと感じませんか?

   下の図は、単収の年次推移を麦種毎に示したものです。

   図を見ると、3麦ともに平成8年産をピークに低下傾向にあるのがわかります。仮に、平成7~9年産の単収平均値を100とすると、直近の3ヵ年(平成22~24年産)では、二条大麦が78、六条大麦が63、小麦が78となり、良いときの7割くらいしか穫れていません。

 麦類単収の推移

 

 それでは一体何故、麦が穫れなくなってしまったのでしょうか?

   原因は幾つかありますが、主に以下の3点に集約されると思います。

  1点目は、土づくりと施肥管理が不十分で、麦に適した土壌環境になっていないためです。

   2点目は、地球温暖化の影響で一度に降る雨量が多くなっている中で、排水対策が必ずしも十分ではないからです。

   3点目は、経営体当たりの作付け規模は順調に増加していますが、逆に、播種作業等が適期にできなくなっていることも一因であると思います。

   単収の低下、すなわち、麦が健全に生育しているとは言えない状態にあっては、当然のごとく、品質についても年次や地域で不安定になります。

   例えば、ビール用二条大麦の子実蛋白質含有率(以下、蛋白含量と略します)が、品質目標の10.0~11.0%に収まらないばかりか、受入れ基準の9.0~12.0%を逸脱するケースも散見されています

   最近は、加工適性が高く、栽培性も向上した新品種が目白押しで、普及しつつあります。しかしながら、生産基盤を見つめ直し、高品質・高位安定生産に転じないと、新品種の特性が発揮されないばかりか、それらの評価を落とすことになり、産地崩壊の危険性をはらんでいます。

そこで、課題を以下のように設定します。

「課題:品質と生産の向上・安定化を図り、実需者から選ばれる産地へ成長する。」

 課題解決には、下の4項目が重要と考えられますので、次回(その2)から順を追って各課題解決方法を解説していきます。

1 適地適作     
適期作業の実践  
3 排水対策の徹底  
4 土づくりと施肥管理

   今回(その1)は、本ブログを読んでいる皆様が、播種後、今すぐ取り組むことのできる「排水溝の設置」について先に触れておきたいと思います[排水対策については、本ブログ(その3)でも詳細を記述しますのでご覧下さい]。

 <今すぐにできること ~排水溝の設置~>
 下の写真は、大雨直後の圃場の写真です。排水溝を設置すると、水の退きが全然違います。
 勿論、排水溝を圃場外の排水路に繋げないと意味がありません。向かって左側の圃場は、後に湿害が生じて生育不良に陥るのは必至です。
 こうした対策は、播種前に行うのが基本ですが、菜種梅雨と呼ばれるように3月頃から降雨日が多くなりますので、播種後でも決して遅くはありません。明日にでも排水溝の設置と排水路への連結を実施して下さい。

 排水溝設置の有無と排水性~各課題の解説は「品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その2)」に続く ~


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品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その2)
品質と生産の向上・安定化で儲かる麦作りにチャレンジしましょう!(その3)

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第2回水田経営とちぎモデル・実践セミナーの講演内容の紹介

 平成24年8月に開催した、第2回の水田経営とちぎモデル・実践セミナーの講演の一部をご紹介します。

 講師は、農山村経済研究所長の楠本雅弘氏。「とちぎ農業ビジネススクール」でもおなじみの先生です。

 以下、講演の概要です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《経営管理の基本ポイント》

◇ 今後の経営管理のポイントは金=財務の管理。経営規模や販売額の大きさで評価するのは古い発想。損益計算書だけを見ていても進まない。

◇ 経営状況は経営面積ではなく10a当たりの利益で比較すること。固定費が高いのが、土地利用型農業の特徴であり、固定費の割合を下げていかないと経営は発展しない。

◇ 20~30haへの規模拡大はコストを下げ、経営維持できるという考えもあるが、10haからの設備投資が大変。大規模化をめざすなら、その点をどうするか、将来設計をしっかり立てること。

第2回セミナーの様子
《規模拡大をめざすために必要なこと》

◇ 規模拡大を進めるには、自己資金・負債・固定資産・運営資金などの「資金管理」が最重要ポイント。

◇ 安定的に規模拡大してくためのポイントは

 ① 賃借対照表の中味の検討を行い、毎月経営状態の確認など経営管理を徹底する。
 ② 家計と経営を分離し経営に必要な資金を家庭で使い込まない(どんぶり勘定は厳禁)。
 ③ 減価償却費を必ず積み立てる。減価償却費を積み立てておけば、継続的な機械・施設更新が可能(別に口座を作り、隔離して管理する)。
 ④ 利益を内部保留し、その分を規模拡大の資金とすること。絶対に借金で拡大しない。

◇ 全国的には、50ha、70ha規模でも地代の支払いや農地の買取り負担で、経営が立ち行かなくなるケースもみられる。特に、農地の買取りには注意が必要。
 
◇ 農地は買わず『借りる』のが基本。機械は投下した資本を減価償却することで回収できるが、農地は償却できず、使ったお金の回収が不可能となる。

 講演後には、規模拡大のポイントとなる農地の管理に関する質問が多数出ました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 講演内容や質疑の詳細については、こちらの講演要旨をご覧ください。
       ↓
 第2回実践セミナー講演要旨(PDFファイル)

 平成24年度は、「土地利用型経営における経営管理のポイント」等をテーマに、2回の実践セミナーを開催し、のべ約500名の方に参加をいただきました。
 
 今後、さらに各地域で1~2回のセミナー開催を予定していますので、是非ご参加ください。

関連記事:実践しましょう 「水田経営とちぎモデル」 

 
 
【お問い合わせ先】

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    メールアドレス  seisan-sinko@pref.tochigi.lg.jp
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実践しましょう 「水田経営とちぎモデル」

 今回は、「水田経営とちぎモデル」についてご紹介します。

 今、県内各地では、大豆・そばの収穫、麦播きなど、冬本番を前にした農作業が行われています。

 本県では、高い乾田化率等の優位性を活かして全国有数の土地利用型農業が展開されていますが、とちぎの農業がさらに成長、進化していくためには、この水田農業の維持発展が鍵となります。

 データによれば、県内では、20ha規模の経営体が400を超え、50ha規模の経営も100に向かって増え続けています。さらには、米の直接販売や農産加工品の販売に取り組み、所得を着実に伸ばしている事例も多数見られるようになりました。

 ◇◇◇水田経営とちぎモデルとは◇◇◇

 「戸別所得補償制度」が導入されて3年が経ちますが、皆さんは、5年後、10年後を見据え、どのような水田経営の姿を描いていますか?

『農地を集め、規模拡大を図っていきたい。』

『目標の農地は集まったので、園芸品目を導入して、さらに収益性を高めたい。』

『生産に加え、雇用労力を上手く生かすために農産加工にも取り組みたい。』

 「水田経営とちぎモデル」は、めざす姿を実現するための「所得目標」や「取組のポイント」を具体的に示した実践的な経営モデルのことです。

 規模拡大や多角化など3つの方向に沿って具体的なモデルを提案しています。

具体的なモデル
 
※モデルの詳細や経営試算は、下記ホームページの「推進指針」をご覧ください。
  http://www.pref.tochigi.lg.jp/g05/tochigimodel.html

 めざす経営規模は10ha?それとも20ha? 所得の目標は?

◇ 規模拡大をめざす二毛作モデルでは、主食用米・小麦(パン用)・大豆・新規需要米を組み合わせた20ha個別経営で、粗収益約3,000万円、純利益1,400万円となります。
  同じ品目で、50ha組織経営の場合は、純利益3,100万円との試算です。

◇ 一定規模以上に規模拡大を進めた上で、複合化・多角化に取り組む場合の純利益は、  アスパラを導入した50ha組織経営で3,800ha万円、餅加工を取り入れた20ha個別経営で1,700万円となります。

 みなさんの経営と比較していかがでしょうか?

 試算結果は、少し高い目標設定となるかも知れませんが、県内でも、モデル以上の経営をしている先進農家がたくさんいます。

  ◇◇◇地域の特徴を生かした経営発展が大切です!◇◇◇

 県内の農地の約8割は水田ですが、それぞれの地域で圃場の大きさや形、整備の状況も違います。また、中山間地域の水田農業も重要です。

 そこで、各農業振興事務所では、それぞれの地域の特徴を活かして、独自のモデルを設定、推進しています。

 規模拡大を中心に、複合化、加工や販路拡大へのチャレンジなど、経営規模や所得目標に合わせて、経営のステップアップをめざしていきましょう。

【各地域で推進する経営モデル】各地域で推進する経営モデル

 最後に・・・

 県内では、各地域で「人・農地プラン」の作成が進んでいます。地域の話し合いに参加していますか。

 プランに位置づけられる「地域の中心となる経営体」の方に、ぜひ実践していただきたいのが、「水田経営とちぎモデル」です。

 「水田経営とちぎモデル」を実践して農業所得の向上をめざしましょう!

関連記事: 第2回水田経営とちぎモデル・実践セミナーの講演内容の紹介
 

    ◇◇◇◇◇◇皆様の取組をサポートしていきます!◇◇◇◇◇◇

 経営相談や実践セミナーへの参加、経営発展に向けた実践プログラムの作成、必要な機械・施設の導入補助に関する要件の確認などについて、ご相談を受け付けています。

 各農業振興事務所にサポートチーム(相談窓口)を設置していますので、まずはお問い合せください。

サポートチーム

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期待の水稲新品種「とちぎの星」について

 実りの秋を迎えていますが、今年の夏は「暑かった」ですね。異常気象や地球温暖化などと騒がれていますが、それらを身近に体感した夏でした。

 さて、お米の世界ではこの高温によって、病害虫が増えたり、お米が小粒化して収量が減少したり、様々な悪影響を受けます。その中で最も深刻なのは、登熟期の高温で米粒が白濁する白未熟粒が発生し、品質が低下することです。

 栃木県農業試験場では、「あさひの夢」と比べて高温障害に強く、良食味の縞葉枯病耐病性品種とちぎの星」を育成しました。現在試作段階ですが、県中南部の縞葉枯病が心配される地域における良食味の品種としての普及を期待しています。

★★★★★★★★★  「とちぎの星」の特徴  ★★★★★★★★★

【生育および収量】

 
あさひの夢に比べて早熟で、早植栽培では出穂期は4日、成熟期は6日早く、普通植栽培では出穂期は7日、成熟期は6日早く、「中生の中」に属します。稈長は長く、穂長はやや短く、穂数は多く、草型は偏穂重型です。

 また、芒はやや多く、玄米はやや大粒です。なお、長稈で、稈の剛柔は中であることから、あさひの夢よりはやや倒伏しやすい特性があり、栽培に当たっては注意が必要です。

 収量は、早植栽培、普通植栽培ともにあさひの夢よりやや多く、玄米の外観品質は、あさひの夢と比べて優れます。玄米千粒重はあさひの夢より重く、粒厚分布はあさひの夢やコシヒカリよりも2.0mm以上の割合が多い品種です。

 
 
葉いもちの圃場抵抗性は「強」、
穂いもちの圃場抵抗性は「やや強」、白葉枯病圃場抵抗性は「やや強」で、縞葉枯病に「抵抗性」です。

 穂発芽性は「やや難」で、コシヒカリよりやや穂発芽し易いですが、あさひの夢と同程度と考えられます。障害型耐冷性は「強」で、コシヒカリより耐冷性はやや弱いのですが、あさひの夢よりは強いため県北部での栽培も可能です。

 高温登熟性は「強」です。

 イネは、登熟期に高温にあたると登熟性が低下し、胚乳部のデンプン粒に隙間ができ光が乱反射することで玄米が白濁し、白未熟粒となります。平成22年は登熟期が異常高温となって、あさひの夢では白未熟粒が多発生しましたが、「とちぎの星」ではみられませんでした。

【食味】

 玄米タンパク質含有率は、あさひの夢と同程度かやや低い傾向があります。また、食味は、軟らかく外観が優れ、あさひの夢よりも優れます。片親に良食味米「なすひかり」が入っていることから、「なすひかり」に近い食味を有しています。(「なすひかり」は2年連続食味ランキング特A)

【栽培上の留意点】

★ あさひの夢に比べて、稈が伸びやすく倒伏が懸念されるので、多肥栽培は控える必要があります。
 これまでの試験結果から、最適な施肥条件窒素成分量は早植栽培で基肥5kg/10a、穂肥は出穂前20日に3kg/10a程度、普通植栽培では基肥3kg/10a、穂肥は出穂前15日に3kg/10a程度と考えられます。なお、少肥栽培においても収量が低下しにくい傾向があります。

★ 穂発芽性はやや難ですが、コシヒカリよりは穂発芽し易く、また、胴割れを防止する観点からも、適期収穫に努めてください。

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【今後の予定】
 平成24年は約37haの作付けがありました。平成25年は200ha、平成26年は1,000haを目標に作付けを拡大する予定です。

【問い合わせ先】
農業試験場 研究開発部 水稲研究室

電話:028-665-1241
メールnougyou-s@pref.tochigi.lg.jp

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

マルシェ栃木のご紹介

 今回は、販路拡大の取組を支援する「マルシェ栃木」のご紹介です。

 第1回目のブログにあったとおり、「プロ農家」とは、「生産技術の向上」はもとより、「需要に即応した商品づくり」や「販路拡大」など、自らの創意工夫と判断により、経営の高度化に取り組む先進的な農業経営者(農産物や加工品の販売額が3,000万円以上)のことを示しています。

 ・・・とは言いましても、

 「需要って、どうやって把握すればいいの?」

 「こだわりの農産物を作るのは自信があるけど、自分で売り先を見つけるにはどうしたらいいだろう?」

 などと、お悩みではないでしょうか?

 県では、このようなお悩みを持った農業者の販路開拓を支援するため、東京都内に「マルシェ栃木」を開設すると共に、「レストランシェフ等との食材提案会」を開催しています。

 また、「マルシェ栃木」や「食材提案会」への出展前後に、明らかとなった生産上や取引上の課題を解決するために、アドバイザーを派遣しています。

  「マルシェ栃木」では、農業者が自ら店頭に立ち、東京都内の消費者や実需者に直接農産物等をPR、販売する場を開設しています。

 特に、本年度は、より感度の高いお客様のニーズを把握し、「高付加価値販売」を実現することを目的として、松坂屋銀座店を会場に開催しています。

 「マルシェ栃木」を活用し、消費者への対面販売を通じて、消費者ニーズを把握し、需要に即応した商品づくりを進めていただければと考えています。

 マルシェ栃木の様子

 また、「マルシェ栃木」の一環として、「レストランシェフ等との食材提案会」を開催し、レストランシェフへの試食を含めた食材活用方法の提案や意見交換などを通じて、シェフの求める商品づくりや販路の拡大につなげていただこうと考えています。

 今年度は、開催したホテルと商談を進めている商品も出てきています。

                              食材提案会の様子

 さらに、アドバイザー派遣では、農産物生産・販売・加工に見識の高い、5名の方々を委嘱し、商品企画から販売方法まで、「魅せる商品づくり」をコーディネートしていただけます。また、販路拡大や加工品開発などの相談にも乗っていただけます。

                         アドバイザー派遣の様子

 これまでに参加された農業者の皆様からは、

・消費者や流通業者の意見を直接聞くことで、「農産物生産」から「商品を作る」という意識に変わった。

・専作農家だったが、洋野菜の作付けを始めるようになった。

・新たな取引をきっかけに、取引先からのアドバイスを元に新商品を開発した。

 といった意見をいただいています。

 「マルシェ栃木」の対象者は、

①県内に住所を有し、販路開拓に意欲のある農業者等(法人、個人は問いません)

②味・色・栽培方法などにこだわった農産物(青果物、米、畜産物、加工品等)の生産に取組んでいる農業者等

③農産物、加工品等の製造、販売に当たり必要な法令を遵守していること

 です。

 ぜひ、「マルシェ栃木」へ参加・登録いただき、「需要に即応した商品づくり」や「販路拡大」につなげていただければと思います。

 参加を希望される方は、下記までご連絡ください。

【問い合わせ先】
栃木県農政部経済流通課マーケティング対策班
電話:028-623-2299
メール:keizai-ryutu@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄の農業振興事務所までお問い合わせください。

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

「人・農地プラン」とは? ~「人と農地の問題」について、地域での話し合いの輪を広めましょう!~

 今回の紹介する内容は、人・農地プラン
ついてです。

 「人・農地プラン」というフレーズは、聞いた
ことがある方は多いかもしれませんが、具体
的な内容については、御存知でしょうか?

 少し堅苦しい表現になりますが、人・農地プランとは次のようなものです。

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『人・農地プランとは?』
 多くの農村地域で抱える農業従事者の高齢化や担い手の減少等の課題を解決するため、地域における話し合いをもとに、人と農地の組み合わせを再編し、末永く営農が継続できるような新たな地域農業の仕組みづくりを描いたプランです。
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 具体的には、10年後・20年後を見据えて、

 ◎ 地域における中心的な経営体をどこ(誰)にするのか?

 ◎ 地域の中心となる経営体にどのように農地を集積していくのか?

 ◎ 中心となる経営体とその他の農業者が連携して新たな地域農業をどのように発展
   させていくのか?

 などの地域農業の将来展望を、地域みんなで話し合い、その結果を市町村長が人・農地プランとして決定するものです。

 現在、栃木県内では、26市町の全域(168地区)でプラン策定に取り組んでおり、9月14日現在で6市町の全域(26地区)で策定されています。

 また、プランは、1度策定されて完成ではありません。地域での継続的な話し合いにより、随時見直しを図りながら、徐々にプランの内容を充実させていくことが大変重要になります。

 皆さんも「人と農地の問題」について地域での話し合いの輪を広めていきましょう!

 

 ≪人・農地プランを作成する利点とは?≫

 それでは、人・農地プランに取り組む利点は何だろうか?と思われるでしょうが、人・農地プランは、担い手の高齢化等を始めとした人と農地の問題を解決するための「未来の設計図」です。将来の地域農業のあり方を農業者の皆さんで話し合い、地域の課題解決の道筋をつけることにより、持続可能な地域農業の実現が期待されます。

 また、国では、各地域おける人・農地プランの実現を支援するため、以下のような制度を用意しています。

 
  これらの制度を有効に活用し、地域での話し合いを積極的に行い、地域に根付いた人・農地プランによる持続可能な地域農業を目指しましょう!

 持続可能な農業を実現していくためには、経営主の方だけでなく、配偶者や後継者の方も積極的にプランの作成に参加することが重要です。

 県では、地域農業を活性化していくため、「未来の設計図」となる「人・農地プラン」の作成を推進していきますので、皆さんの御理解・御協力をお願い致します。

 

【問い合わせ先】
栃木県農政部経営技術課経営体育成担当
電話:028-623-2317
メール:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄の農業振興事務所までお問い合わせください。

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。