農業経営のステップアップのため、農業大学校の研修を活用しましょう!

 今回は農業大学校が実施しているプロの農業者の方等を対象とした各種研修について、紹介します。
 農業経営の向上を図るためには、高度な生産技術の習得はもちろんのこと、販路開拓・商品企画・6次産業化等についての知識・スキルを学ぶことが重要です。

 皆さんは、10年後の経営ビジョンをお持ちですか?そのビジョンに向かって、現在の経営は発展していますか?
 現在のように社会の変化が激しい中では、自分では現状を維持していると思っていても、実際には社会の流れに乗り遅れてしまっている場合もあります。

 「判断すること」、「決定すること」、その一つ一つが将来へ向けて経営発展していくためのターニングポイントなのです。経営向上・改善や自分自身のスキルアップのために、一歩踏み出してみることが重要です。

 以下に農業大学校が開催しているプロの農業者の方の更なる経営改善に役立つ研修を紹介しますので、ぜひ、この機会にスキルアップを図ってみてはいかがでしょうか?

 

<経営改善を目指す方のための「とちぎ農業ビジネススクール」>

 とちぎ農業ビジネススクールは、農業経営の改善を目指す方のための研修で、経営改革プランニング、経営者マインドセミナー及び経営スキルセミナーで構成されます。

 栃木県内にお住まいの農業者で、
①経営の高度化に強い意欲を持つ方
②生産力だけではなく需要に応じた商品作りや販路開拓を目指す方
③新たな農業経営を展開しようとする方
以上のような方等が対象です。

 講師は、全国ベースで活躍する著名な経営実践者や各専門家で構成されます。スクール後半には研修終了後の実践を前提に、各研修生の経営内容に応じた経営改革プランを作成します。

○開催期間:7月から翌年3月の20日間
○対象:経営の高度化を目指す本県在住の農業者で、農業従事経験がおおむね5年以上で40歳程度までの人
○定員:20名
○募集時期:5月頃(24年度は募集終了)

図1図2

 

 

 

 

http://www.nodai.pref.tochigi.lg.jp/Business.htm

 

<6次産業化(農産加工など)を目指す方は「食と農の起業家養成研修」>

「食の街道」づくりを支援するため、起業活動に必要な知識や技術を体系的に学習します。受講対象は、栃木県内にお住まいの農村起業グループの構成員または農業者です。 

H24の開講内容(24年度は募集終了)

表1

 http://www.nodai.pref.tochigi.lg.jp/SyokutoNou.htm

 他にも「農業機械研修」「とちぎ農業未来塾」などの研修がありますので、スキルアップを図りたい方や新しく分野を学びたい方は、お問い合わせください。

 

とちぎ農業ビジネススクール受講者の事例紹介>

 農大の研修を活用して多くの方が経営・生産・加工等のスキルの向上を図っています。その中の一人である高橋ゆかりさんを紹介します。

 高橋さんは、那須町で酪農経営に携わっています。良質な牛乳を活用したチーズは、農産物と一緒に幅広く料理に活用でき、周囲と連携しながら、地域活性化にも貢献できると考えたことが、この研修を受講するきっかけです。

 生産から財務、加工等の実践的な研修により高橋さんは、自分の家の経営や他の農産物の生産現場についての知見を深め、現在は、戦略的にチーズを中心とした加工品の生産・販売に取り組んでいます。

 皆さんも高橋さんのように、農大の研修を活用して、自分自身の能力向上や経営改善を考えてみてはいかがでしょうか?

 県は、プロの農業者の方々の経営力向上を支援します!

<問い合わせ先>
栃木県農業大学校教務部(研修担当)
TEL:028-667-4944
FAX:028-667-4943

 

農業分野における知的財産権の活用 その①(育成者権編)

 今回は、農業分野における知的財産権(育成者権)の概要と注意点、さらに知的財産権を活用した経営事例についてご紹介します。

 今後、これまで以上に、農業分野における知的財産権の重要性は増してくると考えられます。

 知的財産というと、皆さん自身が品種登録等の知的財産権を取得し、権利を守ることで経営向上を図るということが、まず思い浮かびがちですが、それだけではなく、知的財産権は全て法律で保護されているものなので、プロの農業経営者としては、他者の知的財産権を侵害しないようにしなければなりません

 知識のないまま、いつの間にか他者の権利を侵害してしまい、思わぬ損害を相手に与え、場合によっては刑事罰が科されることもあります。

 プロの農業者としては、知的財産権について充分な知識を持っていることが必要不可欠です。

 これから知的財産権(育成者権)について順を追って説明していきます。皆さんの農業経営・生産にお役立てください。 

知的財産の定義と種類

 知的財産とは、一般的に人間の知的、創造的な活動によって生み出された経済的に価値のある物やアイディアを指します。

 知的財産のうち、特許庁や農林水産省に登録を行うことによって、開発者の独占的な権利が認められるものは7つあります(図1)。

 この中で、農業分野に最も関係の深いものは「種苗法」により新品種の育成者に与えられる「育成者権」です。

図1

 

種苗法と品種登録について

 安定した農業生産を行い、均質な生産物を収穫して販売するためにも、優れた特性を持つ「品種」を選定し、信頼性の高い業者等から優良な種苗を手に入れることは極めて重要です。

 このため、「種苗法」という法律が、新品種の登録や種苗の流通を適正に管理するために存在します(引用資料①)。

 既存の品種よりも更に優れた特性を持つ品種を作り出すことは、農業を活性化することにつながるため、国では、品種育成者に「育成者権」という権利を与えています。

 これにより、我が国では昭和53年に品種登録制度が整備されて以来、2万を超える品種が登録されており、現在でも年間1000を超える品種登録出願が行われています(図2)。

 図2

 

 新品種として登録するためには、農林水産省所定の審査を受ける必要があります(引用資料②および③、表1)。

表1

 

 無事に審査が済めば、登録料を支払うことで植物なら25年間、樹木類なら30年間の間、育成者権が認められます(表2、図3)。

表2

図3

 

 「育成者権」を持つことで認められる行為も、種苗の生産、譲渡(販売)等と多岐にわたっており、優れた品種を開発すれば生産販売で儲かるだけでなく、ロイヤリティ(許諾料、利用料などのこと)を徴収することで、更に莫大な収益が見込めるわけです(表3)。

表3

 

種苗法の落とし穴

 しかし、種苗法という法律をよく知らないために起こる困った事案があります。

 皆さんが生産している種苗は、品種登録されたものでしょうか?

 そして、それは育成者権が有効な期間中のものでしょうか?

 もし該当する品種であれば、種苗から生産して生産物を販売する行為は認められていますが、許諾された内容によっては、余った苗や、生産終了後の株を勝手に他人に販売する行為は法律違反です。

 もちろん、種子についても同じです。

 実際に、インターネットを通じて、生産終了後の春に、無許可でいちごの苗を販売していた事例がありました。

 県では、農産物知的財産権センターがこのような行為を監視しており、販売者に対して種苗法の違反である説明を行い、販売を中止するよう警告しています。

 悪質な場合は、刑事罰も科せられますので、適正に生産を行いましょう(引用資料④)。

 

栃木県における知的財産権の活用事例

 栃木県内にも、生産者でありながら新品種育成を行い、育成者権を利活用して有利な経営を行っている方がいます。

 県では、農業分野において生産者が自ら知的財産権を取得し、経営の向上に結びつけた実績を評価して、平成20年から「栃木県農産物知的財産功績表彰」という事業を行っています。

 これまでに8件の表彰を行いましたが、特許権、商標権、育成者権など様々な知的財産権を生産者自らが取得され、ブランド化や販路拡大などに活用されています(表4)。

 表4

 

 このうちの一人、川村一徳(かわむらかずのり)さんをご紹介します。

 川村さんは日光市で(有)ジョルディ・カワムラ(引用資料⑤)を経営されています。

 川村さんは、ペチュニアの仲間であるカリブラコアの品種開発に取組み、平成15年に初めてオリジナル品種ティフォシーパープル及び同ブルーを品種登録出願し、花色や、草姿に優れ、栽培しやすい品種を開発し続けています。

 現在は、登録品種が11品種、出願公表中の品種が4品種あります(図4)。

図4

 最近では一般的になったこの花も、当時は珍しく、また、花色も多様であったことから市場性が高く認められ、日本でも有数の産地の形成に成功されました。

 先見の明があったことはもちろんのこと、ブランド化を図るため、品質管理を徹底して秀品のみを販売したり、ラベルやポップの作りにもこだわり、高級感をもたせるような商品に仕上げるなど経営感覚にも優れていたことが、高い評価につながりました。

 品種登録により自らの優位性を着実に確保しつつ生産販売を拡大したことで、売り上げも、平成23年度には100万鉢・1億4500万円を挙げるなど、カリブラコア生産の第一人者として活躍されています。

 最近では、イオンビームを利用した新しい突然変異育種にも取り組んでいるとのことで、新規な形質を持った商品性の高い新品種開発にも期待がかかります。

 

知的財産権の取得に向けて

 知的財産権を持つことは、競争優位性を確保して経営面で有利な立場に立てることはもちろんですが、それに加えて、最新の手法による新品種開発や、新たな市場の開拓にも挑戦するなど、経営を高度化する意欲を高めることにもつながるのではないでしょうか。

 品種登録は、決して楽なハードルではありませんが、過去にも優れた品種を篤農家が開発した例はたくさんあります。

 何よりも作物の特性を一番知っているのは、皆さんなのですから、個人でも、グループでも結構ですので、是非ともオリジナル品種の開発に取り組み、自らが育成者権を持った新品種の開発を行い、経営に取り入れてはいかがでしょうか

 県では、農産物に関する知的財産権の取得に関して、アドバイスを行う窓口を設けております。相談は無料ですので、お近くの農業振興事務所か経営技術課までお問い合わせください。 

<お問合せ先>
経営技術課 栃木県農産物知的財産権センター
電話:028-623-2313 FAX:028-623-2315 メール:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

<引用資料>
①種苗法(法務省のHPより) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO083.html
②農林水産省品種登録HP(登録品種に関する情報満載)  http://www.hinsyu.maff.go.jp/
③品種登録と育成者権(ブログ中で引用したパンフレットの本文、入門手引きに最適) http://www.hinsyu.maff.go.jp/pvr/pamphlet/120726seido.pdf
④登録品種は適正にとりあつかいましょう(パンフ)http://www.hinsyu.maff.go.jp/pvr/pamphlet/080819tekiseiriyou.pdf
⑤(有)ジョルディカワムラ http://www.giardino-k.com/

 

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

繁殖台帳Webシステムの活用について

【はじめに】

 酪農家の皆さんはご存じのことと思いますが、牛群検定とは酪農家の飼養する乳牛の個体ごとの泌乳能力、飼養管理状況を正確に把握することより飼養管理の改善や乳牛の改良を進め、酪農経営の生産性の向上を図ることを目的として昭和50年から始まったとても歴史ある取組です。

 現在、県内乳牛の約47%にあたる18,000頭、酪農家の約40%にあたる366戸が牛群検定に参加しています。

  図-1に乳用牛の乳量等の推移を掲載しました。

 牛群検定農家と県全体の乳量(平成22年実績)には1,500㎏の差があり、牛群検定の取組が乳牛の生産性を上げるのにいかに有効かがお判りになるかと思います。

 このように、100頭以上の規模拡大を目指す経営体にとって、牛群検定は必須の取組であることは言うまでもありません。

県内乳牛の泌乳生成期の推移 

【繁殖台帳Webシステムとは?】

 今回は牛群検定を核として、その機能のひとつである繁殖を中心に牛群管理のシステム化を行う繁殖台帳Webシステムをご紹介します。

   本システムは自宅のパソコンや携帯電話を使ったインターネットを介してリアルタイムに牛群検定データを利用できる画期的なシステムです。繁殖台帳Webシステムの特徴は以下のとおりです。

(1) データ操作の簡易性

 繁殖台帳Webシステムは、牛群検定の結果をインターネットで送受信することを基本としています。

 面倒なデータ入力を行わずに検定データを呼び出して、パソコン画面や携帯電話から見ることが出来ます。

 また、本システムの特徴的な機能画面の一つに繁殖カレンダーがあります。

 検定成績表から自動的に授精日や分娩予定日など必要なデータを読み込み、牛の繁殖関連のスケジュール管理を行うことが出来ます。メモ機能もありますので、牛舎作業を調整して行事を書き込むなど、野帳としての活用も可能です。

(2) データ共有化で指導力アップ

 繁殖台帳Webシステムは牛群検定成績を活用したシステムですので、これまでどおり検定指導員が検定指導等に利用することが出来ます。

 インターネットですので、遠隔地の指導員が酪農家の皆さんと同一の画面を見ながら電話で指導を行うことも可能です。

検定成績の検討表

 (3) 即時データ入力で利便性アップ

 酪農家の皆さんが、乾乳日や授精日等のデータを牛舎にいながらにして即時に携帯電話で入力することも可能です。

(4) 地域データベースとしての活用

 応用的な取組としては、牛群検定のデータ収集に協力いただける獣医師や授精師等とデータを共有することにより、地域データベースとしての活用も可能です。もちろん関係者の合意が前提です。

【最後に】

  基本的な繁殖台帳Webシステムの内容を説明させていただきましたが、この他にも色々な機能や活用法があります。

 酪農家の皆さんが繁殖台帳Webシステムを通して、牛群検定成績を効果的に活用することで、生乳品質の向上や低コスト生産を図り、酪農経営の発展に資することを期待しております。

 繁殖台帳Webシステムの簡単操作については、(社)家畜改良事業団ホームページでプロモーションビデオ(動画)を公開中です。添付したリーフレットとともにご覧下さい。

・繁殖台帳Webシステムの紹介リーフレット(PDFファイル)
      http://liaj.lin.gr.jp/japanese/kentei/hansyokudaicho_Web.pdf

 牛群検定組合の参加や繁殖台帳Webの導入については、最寄りの牛群検定組合や酪農協にご相談ください。

【問い合わせ先】
栃木県農政部畜産振興課生産流通担当
電話:028-623-2347
メール:chikusan@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄の農業振興事務所までお問い合わせください。

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

いちご王国とちぎを担ういちご作り

  栃木県内のいちご生産者の平均単収は10aあたり4.5t程度ですが、中には7~8tの収量を上げる生産者もおり、全農栃木県本部及び、(一社)とちぎ農産物マーケティング協会が主催する「いちご王国グランプリ」で上位入賞をされています。

 

   収量性が高い生産者の事例を見ると、必ずしも特別な技術を導入しているというわけではなく、「土作り、育苗、病害虫の防除等」の基本管理を、日々徹底して取り組んでいるという方がほとんどです。

  一方で、近年は夏秋期の高温や、冬期の天候不順などの気象条件により、作柄が思わしくないケースもよく見られます。そのような状況においても、いちごグランプリの受賞者達は、基本管理を怠らず気象条件等が作柄へ与える影響を最小限に抑え、着実な収量性のアップを図っています。

  今回は、これから到来する本格的な低温期の管理を再確認して頂くとともに、いちごグランプリ受賞者達の管理の一部をご紹介します。生産者の皆さんも再度各項目について、自分の栽培管理が徹底されているかチェックして頂ければと思います。

 

(低温期の管理) 

  1.  温度管理

① 収穫期は日中のハウス内温度を25℃、夜間は8~10℃を保つことができるよう、常に換気量の調整に気を遣い、また暖房機の調整・整備を行います。
 
 ②天候によっては日中のハウス内の温度が急激に上昇することがあります。特に急激な温度、湿度の上昇は、チップバーンやがく焼けの発生、果実の傷み、みつばちの減少を招き、いずれも収量減に直結します。そのため十分にハウスの温度に注意を払い、喚起を調節します。
 
  ③換気は、内側のすそビニールを外側より高くするなど、冷たい外気が直接いちごにあたらないように工夫します。
 
 ④いちごは、地温が18~15℃の条件が生育適温であり、13℃が最低限界温度とされています。かん水により地温が下がることが無いよう、かん水は晴天の日の午前中に行うようにします。

 

2 草勢管理

 ①わき芽やランナー、古葉、収穫が終了した果房は早めにかき取るよう心掛け、株の負担を軽減し、病害虫が多発しにくい環境作りに努めます。また、かき取りにより空間にゆとりができ、光線がマルチに当たる量が増えるので、地温の確保に繋がります。

 ②冬場の日照量を出来るだけ確保するため、ハウスサイドや内張り、肩の巻き上げ量を増やすなど、出来るだけ日に当てる工夫をします。

 

 
3 病害の防除

①冬場は低温と多湿条件により、灰色かび病、うどんこ病等の発生・増加が懸念されます。そのため先に記述した温度管理やかん水方法に十分に注意して、低温・多湿条件にしなよう努めます。また、日照不足や雨・雪が続く場合は、病害発生前から適用薬剤の予防散布を行い、発生を未然に防ぐようにします。

②薬剤散布によりハウス内の湿度が上昇し、かえって病害の発生を誘発することがあります。そのため一部の生産者ではボトキラー水和剤のダクト内投入、くん煙剤による防除など、散布以外の防除方積極的に取り入れています。

 
 
 
 
 
 
   これらの手法を取り入れることで、IPMにつながる防除体系となり、結果的に化学農薬散布の使用を減らすことも可能です。

 

【問合せ先】
経営技術課技術指導班 電話028-623-2322 メール
agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

「とちぎ食と農の展示・商談会2013」の開催について

栃木県の魅力ある農産物や加工食品などを一堂に集め、実需者との商談や情報交換の場を提供することによって、地産地消や販路拡大、新商品開発はもとより、生産者と実需者の連携による地域産業の発展を目的として、「とちぎ食と農の展示・商談会2013」を開催します。

食と農の展示商談会2012  この展示商談会は、毎年1月に開催されますが、回を重ねるごとに出展者も来場者も増え、現在では県内最大の規模の食に関する展示商談会となっています。

展示商談会では、174事業者のブースに農産物・畜産物・水産物・加工食品・飲料など、「食」に関する様々な商品が並びます。

また、輸出促進コーナーも設けられ、農産物や加工食品の輸出に関する紹介や、実際に輸出に取り組む際の相談なども受けられます。

個別商談の様子 昨年のアンケート調査の結果では、来場者・出展者ともに80%以上の方が「次回も参加したい」と回答しており、この展示商談会の満足度の高さがうかがえます。

これまで、この商談会をきっかけに、農業経営者や農業団体が、食品企業や給食事業者、外食産業関係者などとの新たな取引を開始する取組も始まっています。

今年度は、さらに、とちぎ6次産業化交流会」も同時開催され、6次産業化プランナーの松本謙さんによる講演や、6次産業化に取り組んでいる方々の事例発表などを聴講することができます。

今後の経営で、新たに販路拡大に取り組む予定の農業経営者や農業団体は、様々な食品企業等と出会うチャンスですので、是非、参加してください。

また、今後、販路を広げていくことを検討している場合は、まずは、会場に足を運んで、様子をみていただければと思います。

入場には招待状が必要ですので、主催者へお問い合わせいただくか、ホームページからダウンロードして、お持ちください。

~~~~~~~「とちぎ食と農の展示・商談会2013」~~~~~~
日時:平成25年1月23日(水)10:00~17:00
会場:マロニエプラザ大展示場(栃木県立宇都宮産業展示館) 宇都宮市元今泉6-1-37
主催:(一社)とちぎ農産物マーケティング協会・(株)足利銀行
共催:栃木県・農林中央金庫・全国農業協同組合連合会栃木県本部・(公財)栃木県農業振興公社
展示商談会公式ホームページ: http://www.tochigi-syokutonou.jp/
栃木県ホームページ: http://www.pref.tochigi.lg.jp/g03/250123syoudankai.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【問い合わせ先(展示商談会について)】
◆(一社)とちぎ農産物マーケティング協会
電話番号:028-626-2150
Email: admin@tochigipower.com
HP:  http://tochigipower.com/

◆(株)足利銀行
電話番号:028-626-0743
Email: info@ashigin-shoudankai.jp
HP:  http://www.ashikagabank.co.jp/

◆栃木県農政部経済流通課マーケティング対策班
電話番号:028-623-2299
Email:  keizai-ryutu@pref.tochigi.ig.jp

【問い合わせ先(6次産業化交流会について)】
◆(公財)栃木県農業振興公社
電話番号:028-648-9511
Email:  info@tochigi-agri.or.jp
HP:  http://www.tochigi-agri.or.jp/

効率的な病害虫防除に向けた取組②

<県内における新たな病害虫の発生>

 病害虫の発生は栽培作物・作型の変遷や気象条件等により、常に変化しています。
 これまで問題とならなかった病害虫についても、様々な要因の変化により、その発生が顕在化することがあります。

 また、国際化に伴う物流の多様化も病害虫の発生には重要なポイントとなってきます。
 日頃からほ場を良く観察し、病害虫の発生状況に注視することが重要です。

  近年、以下のような病害虫の発生が県内で確認されていますので、注意願います。
 なお、見慣れない病害虫を発見した際は、農業振興事務所または農業環境指導センターまでお知らせください。

◇りんどうTSWV(トマト黄化えそウイルスによる病害)

 アザミウマ類(主にミカンキイロアザミウマ)が媒介するウイルス病です。
 本県での本ウイルスの発生はリンドウ以外にもトマトやキクで確認されています。

 

◇タバコノミハムシ

 なすの減農薬栽培等、薬剤散布回数の少ないほ場で発生が確認されています。

 

◇クロメンガタスズメ  

 なすトマトの減農薬栽培等、薬剤散布回数の少ないほ場で発生が確認されています。

 

◇チャトゲコナジラミ

 での発生が確認されています。
 茶のほかにサザンカやサカキ等へも寄生するため注意が必要です。

 

◇ヒメボクトウ

 なしでの発生が確認されています。
 他県では、りんごに対する加害も報告されているため注意が必要です。

 

◇ピシウム根腐病

 高温性のPythium属菌(Pythium helicoides)で、夏季の高温によって主に根腐症状を引き起こします。
 県内では、いちご、バラやキクで発生しています。

 

※農業環境指導センターHPでは、病害虫の発生予報、各種病害虫の薬剤感受性検定結果、病害虫天敵図鑑等、各種病害虫情報を随時公開しています。
定期的にチェックし、適切な病害虫防除にお役立てください。
ホ-ムページ http://www.jppn.ne.jp/tochigi/
 【問い合わせ先】
農業環境指導センター
電話028-626-3086
メールnougyou-ksc@pref.tochigi.lg.jp

効率的な病害虫防除に向けた取組①

<主要病害虫に対する防除薬剤の効果(薬剤感受性検定)>

 農作物の病害虫防除を行う上で、薬剤防除は有効な防除手段です。しかし、近年各種病害虫に対する薬剤の防除効果低下が見られ問題となっています。
 そこで、農業環境指導センターでは、県内の主要農作物で発生し問題となる病害虫について、それぞれの病害虫に対する防除薬剤の効果を検討しています。

① トマト、いちご灰色かび病薬剤感受性検定 

 トマト、いちごの灰色かび病については、以前から薬剤感受性の低下が問題となっていました。
 今回の検定結果では、ジエトフェンカルブ、チオファネートメチルの感受性低下が目立ってきているほか、フルジオキソニル、ボスカリド、メパニピリムの一部でも感受性低下が認められています(表1)。
 本病の薬剤防除にあたっては、効果の劣る薬剤の使用を控え、系統の異なる薬剤の輪番散布が必要です。

 

 ② ハダニ類(園芸作物)の薬剤感受性検定 

 いちごのナミハダニに対する各種薬剤の防除効果については、殺成虫効果(×)殺卵効果(△)という状況です(表3.4)。
 多くの化学合成農薬で薬剤感受性の低下が認められていることから、感受性の低下したナミハダニに対しても有効な気門封鎖剤や天敵類を活用することが必要です。

 

 

③ アザミウマ類(園芸作物)の薬剤感受性検定

 いちごのアザミウマ類は、主に春先に多発生し、果実表面を加害することで商品価値を低下させます。
 近年一部薬剤について感受性低下が認められているほか、秋期の防除が不十分であった場合、ハウス内で越冬し春先の多発生の原因となっています。
 本害虫の防除にあたっては、効果の劣る薬剤の使用を控え、系統の異なる薬剤の輪番散布が必要です(表2)。

※農業環境指導センターHPでは、病害虫の発生予報、各種病害虫の薬剤感受性検定結果、病害虫天敵図鑑等、各種病害虫情報を随時公開しています。
 定期的にチェックし、適切な病害虫防除にお役立てください。
 ホ-ムページ http://www.jppn.ne.jp/tochigi/
 【問い合わせ先】
栃木県農業環境指導センター
電話028-626-3086 メールnougyou-ksc@pref.tochigi.lg.jp

6次産業化に踏み出すには〈土地利用型農業での取組事例を参考に〉

 今回は、6次産業化を実践している県内の先進農業者の取組を通じて、新たに加工や販売に取り組む際に重要なことを掘り下げてみたいと思います。

【加工を外部委託する6次産業化】

 
Aさんは、米、麦、大豆、そば、露地野菜で大規模土地利用型の農業を営んでいます。
 
 6次産業化に挑戦したのは7年ほど前のこと。
  今では、自ら生産した農産物を原料としたうどんやそばなどを道の駅や直売所、直接取引などで販売しており、これら加工品の売上げは、農産物と合わせた総販売金額の約1割を占めています。

 Aさんの6次産業化の特徴は、自ら加工施設を整備して加工するのではなく加工技術を持つ食品企業に製造を外部委託して、それを自ら販売するというところです。

 

図
 【外部委託方式のメリット】

 外部委託方式には、大きなメリットがあります。
 ひとつは加工機器を導入する設備投資が必要ないことです。

 新しい事業に取り組む場合、せっかく設備投資をしても売れなければ全て無駄になってしまいます。

 この点、外部委託は、最低ロットなどの制限がありますが、設備投資に比べればリスクは相当低いと言えます。

 2つめは、外部委託のため、農業者自らが、食品製造に必要な様々な許可や資格などが必要ないことです。加工施設は、一般的に食品衛生法の基準を満たすための許可申請などが必要となる場合が多く、加工する農産物や加工方法によって基準は全て異なるため、法令を理解し十分な準備が求められますが、この必要が全くないというのは、新事業に踏み出すハードルを下げてくれます。

 また、外部委託で加工品を製造し、少しずつ事業を拡大していく中で、製造業者の加工技術のノウハウ、商品表示やラベルの付け方、関係法令などの利知識を習得して、将来の設備投資に備えることや、消費者のニーズや販路の状況を踏まえてビジネスを育てていくことが出来ます。

 このように、何から何まで全て自分で行わず、外部委託を上手に活用して、6次産業化の実践に踏み出すのは、比較的リスクが少なく、加工や販売などのスキルを徐々にアップしていけるメリットもあり、全課程を自ら行うよりは、比較的取り組みやすいかもしれません。

 さて、Aさんの取組をもう少し深く見てみます。


【パートナー企業を見つける、販路を確保する】

 
外部委託方式の6次産業化で最も難しいのは、①パートナーとなる食品企業を見つけること、②適正価格の設定と着実な販路を確保し、拡大していくこと、です。

 「①パートナーとなる企業を見つけること」について、Aさんは、展示商談会、首都圏で行われるマルシェなど、あらゆる機会を利用して自らの取組をPRし、そこで知り合った人的ネットワークの中から、比較的小ロットでも対応可能で、高い加工技術を持つ食品企業探しています。商工会議所にも加入し、今もネットワークを拡げる努力をしています。

 お話を聞いて印象的だったのは、「ようやく見つけた県外の食品加工企業に電話で加工委託をお願いしたらその場では断られたものの、すぐに原材料を持って高速道路を使って会社を訪問、直接折衝の末、加工を請け負ってもらった」という内容でした。

 食品企業も、出来るだけ大口で、継続した相手からの仕事を受けたいと考えるのが普通であり、高い技術を持つ加工企業で、小ロットから請け負うことが可能であって、農業者の思いを汲んで一緒に仕事の出来る会社は、電話帳やインターネットなどではなかなか探すのは難しいようです。

 目指すことを実現するために、幅広いネットワークを築くこと、そして、自分の考えや取組を理解してもらうために直接相手と交渉して熱意を伝えていく行動力や情熱が必要だということかと思います。

 「②適正価格の設定と着実な販路を確保し拡大していくこと」については、まず価格ですが、Aさんは、労賃を含めた農産物の原材料単価を、再生産価格から適正に算出し、さらに外部委託の加工費などを含めて製品の価格を決定しています。

 商品の価値を適正に評価していただける顧客を見つける、というポリシーのもとで販売を開始しましたが、事業開始当初は、全然売れない商品を近所に無料で配り歩くことも多く、やっぱり止めようか、と思うこともあったそうです。

 Aさんは、農産物を観光客の多い道の駅で販売していました。加工品も道の駅を拠点に販売しつつ、前述したようにあらゆる機会を通じて商品の魅力のPRに努めました。

 また、Aさんのこだわった農法に共感して農産物を購入してくれている顧客や、そのネットワークを通じて徐々に販路を広げていきました

 同じ農産加工品でも、大手食品企業との価格競争では厳しいものがありますが、徐々にAさんの商品の強みや商品づくりに込めた思いが理解され、原料や製造にこだわった商品を求める顧客が繰り返し買ってくれるようになったそうです。


【まとめ】

 
今回は、「外部委託」方式で新たな事業に踏み出すハードルを低くし、6次産業化の事業を比較的緩やかに発展させていく方式を、土地利用型農業での取組事例を参考に紹介しました。

 この方式はたくさんのメリットがありますが、パートナー企業を見つけ出すこと、あらゆる機会に人的ネットワークを拡げていくことも成功の鍵を握っているようです。

 参考までに、国が6次産業化の経営発展をイメージとして示したものが下図です。今回ご紹介した事例は、企業的経営移行期から6次産業化確立期に位置づけられる手法と考えられます。

図(国)
 [参考URL]
◇ 6次産業化先進100事例(農林水産省)
  http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika/jirei/index.html

◇ 第6チャンネル(6次産業化に関する様々な情報が入手できます。)
  http://www.6-ch.jp/

 

【問い合わせ先】
栃木県農政部農政課農政戦略推進室
電話:028-623-2284
メール:agrinet@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄の農業振興事務所までお問い合わせください。

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。