25年産水稲で確実に実施したい病害虫対策(その1)~稲縞葉枯病の拡大阻止~

   日差しが徐々に強くなり、暖かい日も多くなってきました。
   二十四節気の『啓蟄(3月5日)』を過ぎ、もうすぐ『立春(3月20日)』。いよいよ稲作シーズン到来です。

 

   特に問題が無いように思われた24年産ですが、今後に大きな不安を残す課題がいくつか生じています。今回はそれらのうち、2つの課題[(その1)では「稲縞葉枯病の拡大阻止」、(その2)では「雑草稲の撲滅対策」]を取り上げ、ご紹介します。解決策はあります。きっちりと対策をとっていきましょう。

 

1 イネ縞葉枯病が拡大傾向にあります
  平成25年1月31日の投稿でも御紹介しましたが、イネ縞葉枯病(以下、縞葉枯病)の発生が県中南部を中心に増えてきています(写真1↓) 

 

  農業環境指導センターが平成24年10月に再生イネで調査した結果では、発病株率は6.4%(平年比155.6%)で平年より多く、特に県南部の罹病性品種(コシヒカリ等)作付ほ場で発病株が多く確認されています(図1)

  さらに、縞葉枯病ウイルスを媒介するヒメトビウンカの生息密度と保毒虫率を11月に調査した結果では、生息密度が県平均60.6頭/10㎡で平年に比べ312.2%と非常に多く、保毒虫率も県平均7.0%で、昨年から過去10年で最も高い状況であることが分かりました(図2↓)

  本県において、縞葉枯病の要防除水準は「再生稲の発病株率10%超、越冬世代の保毒虫率10%超」と定められており、県南部ではこの水準を大きく超える値が出てきています。
  要防除水準とは「今の防除技術で対応すれば被害は防げる」レベルであり、これを超えると、株の枯死や穂の出すくみ、不稔等による減収により、経済的被害が発生します。

 

   栃木県は昭和40年~平成の初め頃まで、県南部を中心に縞葉枯病の被害に苦しみました。平年の半分しか取れないほ場も現れ、県平均の保毒虫率は15~20%と高く、昭和59年の発生面積は20,000haを超えました。生産者と関係機関・団体が一体となって行った、抵抗性を持った品種の普及、広域的な共同防除の実施などの対策により、被害は収まったかに思えました。

  

  しかし、コシヒカリなど、抵抗性を持たない品種の作付拡大や防除回数の減少などにより、20年の時を経て再び不気味な姿を見せ始めています。1月31日の投稿でもご紹介した次の対策を地域全体で徹底し、今のうちに縞葉枯病を封じ込めてしまいましょう。

<稲縞葉枯病封じ込め対策>

① 抵抗性品種の作付
   罹病性品種から抵抗性品種「とちぎの星」「あさひの夢」へ品種を替える。飼料イネも「クサホナミ」「はまさり」等の抵抗性品種を作付する。

 

② 箱施用剤の使用
   保毒虫率が高い地域で罹病性品種(コシヒカリ、なすひかり等)を作付けする場合は、イミダクロプリド箱施用剤(商品名アドマイヤーCR箱粒剤等)やクロチアニジン箱施用剤(商品名ダントツ箱粒剤等)、又はこれらを含む混合箱施用剤で防除を行う。
   なお、フィプロニル箱施用剤(商品名プリンス粒剤等)は、県内で薬剤感受性が低下したヒメトビウンカが確認されているため、保毒虫率が高い地域では罹病性品種に使用しない。
   さらに、箱施用剤の使用や切り替えは、地域全体で行うと防除効果が高まる。

 

③ 早めの秋耕
    再生稲の病害株は早めに秋耕し、ヒメトビウンカの生息地を減らすとともに、病原ウイルスを吸汁獲得できないようにする。

 

④ 畦畔等の雑草除去
    冬季畦畔等の雑草を除去し、害虫の越冬場所をなくす。

 

【問合せ先】
経営技術課技術指導班 電話028-623-2322 メール
agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

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