水田転作野菜として『うど栽培』を始めてみませんか

段々と春めいてきましたが、みなさんは、この季節をイメージする「うど」は、本県が全国的にも生産量トップであることを御存知でしょうか?県では品種開発も行っており、平成 年に品種登録した「栃木芳香1号」「栃木芳香2号」(下の写真)は、いずれもこれまでの主力品種である「紫」に比べて茎の色が白くて見栄えが良く、また多収性であるという品質・収量ともに優れた品種であり、現在、県内のうど生産地における導入を進めています。

★詳しい品種特性はこちら(別紙リンク)

 

写真1

 

平成24年度の東京都中央卸売市場における山うどの出荷量を見ると、本県が271トンで出荷量では全国一の産地であり、本県と群馬県で東京市場をほぼ独占していることが分かります。
 うどの出荷形態には、「山うど(緑化うど)」と光を完全に遮断して栽培する「軟化うど」の二つのタイプがあります。軟化うどは東京都立川市を中心とした産地が古くから有名です。軟化うどに関しては市場出荷統計の資料がないため確実なことは言えませんが、山うどと軟化うどを併せても、本県は全国屈指のうど生産県ということになるようです。

図1

 

 本県におけるうど栽培は昭和55年に大田原市で始まりました。本県で、これだけ「うど」が生産されるようになった理由には、水田農業が広く展開されている本県において、以下のとおりメリットが高い品目であるという点があります。
【メリット1】水稲栽培との労力競合が少ない(定植3月→収穫12月頃)
【メリット2】管理作業の手間が比較的少なく、新規に取組みやすい
【メリット3】労働生産性が高い

***これらのメリットについてもう少し詳しく解説します*****

山うど栽培の経営試算を表2に示しました。この試算は100a経営の場合ですが、水稲との労力競合がほとんどなく、10a当たり所要労働時間も178時間と極めて少なく、所得率も40%となっており、うどは労働生産性の高い野菜だと言えます。

表2 山うど栽培の経営試算(10a当たり、農業経営診断指標から抜粋)

表2

また、作業管理の目安時期は以下のとおりですが、水田の管理作業最盛時期との競合がないため、効率的に年間作業ができることになります。

栽培のポイントは、排水の良いほ場を選定し、定植前から排水対策を十分に行っておくことが重要です。また、うどは連作すると生育がわるくなる(連作障害)ため、水稲との組み合わせによる4年1作程度の輪作が必要です。
 うどの病害虫としては、黒斑病やアブラムシ類が発生しますが、他の野菜類に比べて病害虫の発生が少ないため防除労力は少なくて済みます。
 掘り取った根株は、パイプハウス内に作る半地下式の伏せ込み床に並べて伏せ込み(電熱線を設置)、土をしっかりと詰め十分かん水します。かん水2~3日後、土表面が乾いてきたら、もみ殻を2回に分けて入れます(1回目:10cm、2回目18cm)。伏せ込み後、温度をかけてから25~30日で収穫となります。もみ殻から突き抜け、葉が淡い緑色になったものを順次収穫します。

 生育状況

 

 

 

 

根株の伏せ込み

 

 

 

 

山ウドの収穫作業

 

 

 

 

 

 

 

 

***さいごに***************************

 今回の国の農政改革においては、土地利用型農業において「主食用米編重ではなく、需要のある作物の生産を行い、自ら経営判断で作物を選択する状況を実現する」ことを目指すとしています。このため、米の直接支払交付金が段階的に削減され、代わりに、新規需要米や麦、大豆、地域作物等への転換を図っていくことが進められています。そのための支援策も国及び県で講じていく予定です。

みなさんも、こうした制度の動きに対応して、新たな園芸品目に着目し、土地利用型農業のレベルアップを図っていきましょう!

************************************参考】 県内のうど栽培面積(平成25年度:農業振興事務所調べ)表1

 

 ===問い合わせ先===
栃木県農政部経営技術課
技術指導班
TEL:028-623-2313
FAX:028-623-2315
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