日照不足に対する農作物被害防止対策

                                   平成26年9月4日
                                 栃木県農政部経営技術課

 

 日照不足に関する関東甲信地方気象情報第1号(平成26年9月1日14時30分 気象庁発表)によると、関東甲信地方では、8月下旬から、前線や湿った東寄りの風の影響で曇りや雨の日が多くなっており、8月下旬の地域平均日照時間平年比は53%とかなり少なくなった。今後2週間程度は、前線や湿った風の影響を受けやすく、平年より曇りや雨の日が多くなる見込みである。
  今後、その影響も懸念されることから、以下の事前対策を十分行い被害防止に努める。

Ⅰ 作 物

  1 水稲(早植栽培)
 (1)今年は平年より出穂期が早く、収穫適期も早まっている。さらに、出穂期後10日間の高温、断続的な降雨による玄米水分の変化により、胴割粒が発生しやすい条件となっている。刈り遅れは胴割粒の発生を増加させることから、適期に確実に収穫する。
 (2)なお、水温が低い地域等で水口付近の出穂が大幅に遅れている場合は、刈り分けを行う。

  2 水稲(普通植栽培)
 (1)葉いもちの発生が多かった場合は、穂いもちの多発を予防するため、登録のある農薬を散布する。
  3 大 豆
 (1)排水溝を整備する等、排水対策を徹底する。
 (2)べと病(里のほほえみ)や紫斑病の発生を防ぐため、登録のある農薬を散布する。
  4 こんにゃく
 (1)排水溝を整備する等、排水対策を徹底する。
 (2)葉枯病や腐敗病の発生を防ぐため、登録のある農薬を定期的に散布する。
 (3)病害株は速やかにほ場外に搬出する。
Ⅱ 野 菜
 1 野菜全般
  (1)曇雨天時の葉かきや芽かき等は極力控え、これらの管理は晴天日の午前中に行い、     夕方には傷口が乾くようにする。
 (2)曇雨天日が長く続くと日照不足のため茎葉が徒長し、生理的落果や病害多発の原    因となりやすいため、古葉や側枝は早めに取り、風通しと日当たりを良くする。状況に応じて展着剤を加用し、予防散布を徹底すると同時に、かん水は多量に行わず、1回当たりの量を少なくして回数を多くする。追肥は多肥とならないよう生育に応じて行う。
 (3)果菜類では不良果の摘果を行うとともに、きゅうり・なす等は小果(S~Mクラス)で収穫し、株の着果負担を軽くする。
 (4)今後、播種や定植する野菜は早めに準備し、適期に播種・定植を行う。苗の軟弱徒長に注意する。
  <天候回復後>
 (1)土壌水分の乾湿の差を少なくするため、敷ワラ等のマルチングを行う。
 (2)草勢回復のため、葉面散布を行う。
 (3)日照不良で根の活性が衰えているため、果菜類や葉菜類で日中萎れる場合は、薬   剤散布を兼ねて葉水を与え、萎れを防ぐ。

 2 いちご
 (1)花芽分化が早まることも予想されるので、花芽分化確認、定植準備は早めに行う。
 (2)定植する際、炭疽病等の発病株を定植しないよう十分確認する。
 (3)生育が遅れているもの、軟弱に生育しているものはできるだけ使用しない。
 (4)炭疽病等の発生が多くなっているので、定植前後の防除をしっかり行う。また、スカイベリーは灰色かび病に弱い傾向にあるので、併せて防除を行う。
 (5)地温上昇を防ぐために設置していた寒冷紗等は速やかに外すとともに、定植後の活着を促進させるため、こまめなかん水を心がけ、土壌乾燥に注意する。
 (6)肥料不足にならないよう、状況に応じて葉面散布等で追肥を行う。

 3 に ら
 (1)白斑葉枯病、さび病、葉腐病等が発生しやすいため、防除を徹底する。

 4 雨よけトマト
 (1)不良果の摘果を行い、株の着果負担を軽くする。
 (2)灰色かび病、疫病、葉かび病等の病害が発生しやすいため、防除を徹底する。

 5 夏秋なす
 (1)全面マルチ栽培では、マルチ上への滞水を防止する。
 (2)花や果実に光が当たるように整枝や葉かきを行う。
 (3)うどんこ病等の茎葉の病害のほかに腐敗果が発生しやすいため、病害に対応した薬剤を散布する。

 6 う ど
 (1)黒斑病が発生しやすいため、防除を徹底する。

 7 ね ぎ
 (1)土入れ・土寄せは、降雨後の加湿状態で行わない。
 (2)べと病、黒斑病、さび病等が発生しやすいため、それぞれの病害に対応した薬剤を散布する。

 8 ほうれんそう
 (1)苗立枯病やべと病が発生しやすいので、防除を徹底する。

Ⅲ 花き全般
  日照不足による軟弱徒長で、品質の低下と灰色かび病等の発生が助長されるので、晴天時以外の遮光等は取り除き、できる限り日照を確保するとともに施設内の通気等を図 り湿度を下げるように努める。

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