台風11号の接近に伴う農作物被害防止対策

                                                                    平成26年8月6日
                                                            栃木県農政部経営技術課

 平成26年台風第11号に関する情報第8号(平成26年8月6日6時45分 気象庁予報部発表)によると、台風11号は6日6時には日本の南を1時間におよそ15kmの速さで北へ進んでいる。24時間後の7日6時には南大東島の南西170kmの北緯24度40分、東経130度05分を中心とする半径160kmの円内に達し、非常に強い台風となる見込みである。
  今後、関東地方にも接近が予想され、その影響も懸念されることから、以下の事前対策を十分行い被害防止に努める。
              
Ⅰ  共 通
  1  大雨対策
    (1) 大雨による冠水等が心配されるほ場では、事前に排水溝を設けるなど、対策を講じておく。
    (2) ゴミや刈り払った雑草が水路を塞がないよう、事前に取り除いておく。
  2  防風網・防鳥網・多目的防災網等の点検、補修
    (1) 網が飛ばされたり破られたりしないよう固定状況を点検するとともに支柱を設置し補強する。
  (2)破損部があると強度が低下するので補修をしておく。
  3  ハウスの点検、補修
    (1) 被覆資材の破損部や固定が不十分なところがないか点検し、補修を行っておく。
    (2) ハウス強度を上回る強風が吹く可能性がある場合には、天窓やサイド換気部を全開にするとともに、天井や妻面のビニルをはずして風を抜けやすくし、施設の損壊を防ぐ。時間的に余裕がない場合には、カッターナイフ等で切りとり、風の通り道を確保する。
  4  事後対策の準備
    (1) 被害後、速やかに回復措置がとれるよう、排水対策や施設等の修復、病害防除等の準備をしておく。

Ⅱ 普通作物
  1 水稲
    (1) 冠水および浸水したほ場は、速やかに排水に努める。倒伏・冠水しているような ほ場は畦畔を切って早めに排水する。
    (2) 台風通過後の乾燥した強風(フェーン)による被害(登熟不良、白穂の発生、青枯れ等)を軽減するため、やや深水とする。特に、出穂直後の品種(コシヒカリなど)は注意が必要である。
 2 大豆・小豆・そば
   (1) 大雨により滞水しやすいほ場は、排水溝を設置し、排水口は低く掘り下げて排水  路につないでおく。
   (2) 冠水および浸水したほ場は、速やかに排水に努める。
    (3) 倒伏したそばは、無理にいじらず自然に起き上がるのを待つ。
 
Ⅲ 野 菜
  1 全般
    (1) 強風対策として、ハウスやネットの点検・補修・補強を行う。
    (2) 冠水および浸水したほ場は、速やかに排水に努める。
  2 いちご
    (1)強風による傷みが懸念されるので、天候回復後速やかに病害予防として、薬剤散布を行う。
    (2) 特に、炭疽病が発生しやすくなるので、排水対策を行うとともに、発生が懸念されるほ場では防除を実施する。育苗期と本ぽで使用できる農薬が異なるので注意する。
    (3) 夏秋いちごは、ハウスの被害を受けないよう点検、補修、補強を行う。同時に、湿度が高く、病害が発生しやすくなるので注意する。
  3  なす、きゅうり、トマト等
    (1) 強風による損傷や倒伏を軽減するため、茎や枝を支柱やネットによく固定しておく。

Ⅳ  果  樹
  1  なし・ぶどう等(棚仕立て果樹)
    (1) 強風による枝や果実の損傷を軽減するため、結果枝等を棚によく固定しておく。
  2  りんご・もも等(立木仕立て果樹)
    (1) 強風による枝や果実の損傷を軽減するため、側枝等太枝に支柱を設置したり、結果枝どうしを結束するなどして、固定しておく。
  3 苗木
    (1) 強風による倒伏を軽減するため、支柱によく固定しておく。

Ⅴ  花  き
  1 露地ぎく・露地りんどう等
    (1) 支柱やネットのゆるみを直し、十分に補強する。ネット上げの作業が遅れている場合は、所定の位置までネットを上げておく。

Ⅵ  特用作物
 1 こんにゃく・ゆうがお
    (1) 大雨により滞水しやすいほ場は、排水溝を設置し、排水口は低く掘り下げて排水 路につないでおく。
   (2) 冠水および浸水したほ場は、速やかに排水に努める。

Ⅶ  畜 産
  1  畜舎
    (1) カーテン等の固定状況を点検し、補修・補強をしておく。
    (2) 雨水の流入が心配される場合は、土のう等により対策を講じておく。
  2 飼料用とうもろこし
    (1) 畑の排水路を確保しておく。
  3 停電による搾乳不能に備えて
    (1) 発電機の準備と燃料の確認を行う。
    (2) 緊急策としてバキュームカーを真空ポンプにつないでミルカーを動かすことが可能であるので、事前に接続の確認をしておく。
    (3) 停電時に搾乳する場合は高泌乳牛から行い、漏乳している牛は後回しにする。
      また濃厚飼料の給与は控える。

 

とちぎ農業防災メール 第3号「家畜の暑熱対策に取り組みましょう」

気温が25℃を超えると全ての家畜に影響が現れます。

夏本番を迎え、生産性の低下を最小限にするため、次の対策に取り組みましょう

 

1.扇風機や換気扇のホコリを掃除するとともに、風向を調節しましょう!

2.きれいな水が十分飲めるように、水槽など給水設備を整備しましょう!

3.毛刈りで牛の前半身を冷やしましょう!

4.よしずや遮光ネットの設置を行いましょう!

 

農業災害未然防止対策(経営技術課)

http://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/documents/mizenboushitaisaku.pdf

 

暑熱対策を始めよう!(芳賀農業振興事務所)

http://www.pref.tochigi.lg.jp/g53/documents/chikusan1.pdf

 

早めの暑熱対策を(下都賀農業振興事務所)

http://www.pref.tochigi.lg.jp/g54/26cow03.html

 

お問い合わせ先

栃木県農政部経営技術課普及情報担当まで

 TEL:028-623-2313

 Mail:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

 

○不要なメールの解除について

本メールマガジンの配信会社より、気象災害対策とは無関係のメールが配信されます。それを解除する場合、以下の作業を行ってください。

1.配信を希望しないメール本文中の、「配信中止はこちらから」というURLをクリックする。

2.メール登録・解除のページにアクセスするので、解除の欄に御自分のメールアドレスを入力し、解除ボタンをクリックすれば完了です。

 

○本メール記載のPR広告等については、栃木県とは関係ありません。

とちぎ農業防災メール第2号「水田の水管理に注意しましょう!」

  梅雨明け後、暑い日が続いています。
  今年の5月連休植えの県中南部の水稲は、現在、出穂期を迎えています。
 
  水稲は、出穂から約20日の間に厳しい暑さが続くと、米粒が白く濁ったり、割れやすくなったりします。このような場合は、かん水して田んぼの水温、地温を下げる必要があります。
 
  具体的には、足跡に水がたまっている程度まで自然落水したら、気温が下がる夕方以降に入水する「間断かん水」を繰り返しましょう。

水稲の生育状況や管理方法等の詳細はこちらから
 http://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/gizyutu/seiikusinndann.html

          お問い合わせ先
      栃木県農政部経営技術課普及情報担当まで
       TEL:028-623-2313
             mail:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

 

 

とちぎ農業防災メール(創刊号)

とちぎ農業防災メールにご登録いただき、大変ありがとうございます。

今後とも、気象災害を未然に防止するための情報を配信していきますのでご活用願います。

 さて、今回は、これから夏本番ということで、農作業中の熱中症対策です。
 暑さに体が慣れていない梅雨明け後に熱中症事故が多発しています。熱中症の予防には「暑さを避けること」と「水分補給」が大切です。このことをよく理解し、次の事項に注意してください。

① 暑さをしのぐ服装
  ・帽子や通気性の良い衣類の着用
 
② 熱中症になりにくい作業環境
  ・ハウスや畜舎等の換気
  ・日よけの設置による日陰での作業
  ・断熱材の施工等による温度上昇の防止
 
③ 水分補給と休憩
  ・こまめな水分補給
  ・こまめな休憩
  ・気温の高い時間は作業を行わない

詳細についてはこちらから
  http://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/nousagyouanzen.html

          お問い合わせ先
      栃木県農政部経営技術課普及情報担当まで
             TEL:028-623-2313
             mail:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

酪農経営におけるヒートストレスメーターを活用した効率的な暑熱対策について

画像

 畜産振興課

近年、地球温暖化による気温上昇が、本県酪農経営においても大きな課題となっています。

宇都宮地方気象台が公表するデータによると、年平均気温は年々上昇する傾向にあります。また、真夏日(最高気温30℃以上)の日数についても同様に増加傾向であり、年々牛の暑熱ストレスは増大しています。

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一般的に牛に対する暑熱ストレスが大きくなると、免疫力、泌乳量、乳質及び繁殖成績の低下をまねきます。

(一社)中央酪農会議の試算によると、夏季の乳量の低下や体細胞数の増加による経済的損失は、経産牛40頭規模で100~200万円にも及ぶとされています。

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そこで、県では、夏季における生産性の向上を目的に、これまでの気温による対策に、湿度の影響を加味した温湿度指数(THI)を指標(ヒートストレスメーター)として、効率的な対策を実施するモデル農家を県内に設置しました。

 ※ 温湿度指数(THI)=(0.8×温度+(相対湿度/100)×(温度-14.4))+46.4

    指数 70以上で注意が必要となり、80以上で死廃等危険性があります

今後、モデル農家から得られる暑熱関連データや改善策等を分析・検証し暑熱ストレス低減策をマニュアル化することで、本県酪農の経営安定を図っていくこととしています。

なお、マニュアルについては、本ブログで情報提供していきますので、御注目ください。

ヒートストレスメーター

ヒートストレスメーター(温度と湿度からTHIを表示し、リアルタイムで牛への暑熱ストレスを確認することが出来ます)

平成26年7月27日の強風に伴う農作物技術対策

                                                        平成26年7月29日
                             栃木県農政部経営技術課

Ⅰ  野  菜
  1  いちご(苗)
  (1) 傷んだ茎葉は、速やかに除去する。
  (2) 育苗床で泥はねがあった場合は、動噴あるいは細かい孔の如露口を用い、生長点に付着した土砂をよく洗い流す。
    (3) 炭疽病、メセンチュウの発生が懸念されるので、薬剤散布を行う。
      
 2 にら
    (1) 茎葉の損傷が著しい場合は、捨て刈りし再生させる。
    (2) 病害虫の発生が懸念されるため、防除を徹底する。

  3 夏秋なす
   (1) 病害虫の発生が懸念されるため、防除を徹底する。
   (2) 傷果が多く発生することが予想されるので、選果選別を徹底する。
   (3) 枝等が折損した場合は、正常部位まで切り戻す。通常の整枝せん定も強めに行う。

Ⅱ 花き類(スプレーぎく、カーネーション)
   (1) 病害虫の発生が懸念されるため、防除を徹底する。
   (2) 施設の破損で栽培が継続出来ないときは、病害虫の発生源とならないように、速やかに作物を片付ける。

麦類の穂発芽等に伴う技術対策等について

平成26年6月10日

農政課・経済流通課・経営技術課・生産振興課

 

Ⅰ 農業共済と経営所得安定対策への対応

 穂発芽等が発生したほ場がある場合、農業共済金については損害評価野帳の提出等が必要となることから、詳細は各農業共済組合に問い合わせる。

 また、経営所得安定対策交付金については、交付要件があるので各地域農業再生協議会に問い合わせる(交付要件は下記の【参考】を参照)。

 

Ⅱ 穂発芽等が発生したほ場の次期作に向けた技術対策

 1 水稲作付けの場合

  1) 麦はコンバインで収穫し、子実はほ場から搬出して堆肥化する。

  2) 子実をすき込むと、生育初期に土壌還元による障害が発生しやすいので、子実のすき込みは避ける。

  3) 麦稈のみをすき込む場合は、窒素飢餓を回避するために10a当たり窒素成分1kg程度を基肥で増肥し、早めに間断かん水を実施してガス抜きする。なお、コシヒカリやとちぎの星については増肥しない。

  4) 排水不良田、あるいは田植え時期が地温の高まる7月になる場合、土壌還元が進みやすいので、子実と麦稈を搬出して堆肥化する。

 

 2 大豆作付けの場合

  1)麦稈をすき込む場合:

    窒素飢餓を回避するため石灰窒素10~15kg/10a施用し、基肥は慣行施用とする。

  2)子実と麦稈をすき込む場合:

    窒素飢餓を回避するため石灰窒素10~15kg/10a施用し、基肥量は減らす

  

 

【参 考】

経営所得安定対策について

 

1 水田活用の直接支払交付金について

  出荷・販売が条件となっているが、自然災害等により出荷・販売ができなかった場合は、次の要件を満たすことで交付対象となる。

  1)  原因が自然災害等であることが確認できること

  2)   通常の肥培管理等が行われていたことが確認できること

      ・共済加入者 :共済損害評価野帳及び作業日誌

    ・共済非加入者:地域再生協構成員(市・JA等)による被害圃場確認(写真添付)

              及び作業日誌

 

2 畑作物の直接支払交付金について(ビール大麦・種子麦は交付対象外)

  営農継続支払は、基本的に昨年の生産実績により前払されるが、自然災害等により出荷・販売ができなかった場合は、次の要件を満たすことで交付対象となる。

  1) 販売・出荷量が生産予定数量の2分の1以上を確保

  2) 販売・出荷量が生産予定数量の2分の1に満たない場合は、理由書を地域センターに提出し、合理的な理由として認められること。

  ※数量払については、販売・出荷がなければ交付対象とならない(規格外は対象外)。

 

園芸生産拡大に向けた県単補助事業の活用について

平成26年度園芸生産拡大に向けた県単事業を募集しています
事業では、本県園芸産地の競争力強化や収益力向上を図るため、園芸作物の新規導入や規模拡大及び収益性の高い生産体制を構築する取組を支援します。

無題

1 事業実施に際してのポイント
  事業実施に際しては、事業の種類が多く、内容がわからない、手続きが煩雑だ、というご意見をよくいただきます。
  今回は、農業者の方が取り組みたいことから事業を選択できる、いわゆる「逆引き」形式で事業をご紹介します。

(1)栽培面積を増やしたい・新規作物を導入したい
対象事業:園芸生産拡大支援事業
  ○ 事業主体:農業協同組合、農業生産組織 等
  ○ 補助率 :1/3以内
  ○ 採択要件
    ① 受益面積が30a以上
    ② 園芸産地総合戦略等の計画に基づく取組であること
    ③ 受益農家が3戸以上であること
  ○ 助成対象例
ハウスにら

 
 


(2)収益の向上を目指し、高機能ハウスを導入したい

対象事業:収益力向上モデル産地育成支援事業
  ○ 事業主体:農業協同組合、農業生産組織 等
  ○ 補助率 :施設4/10以内、(設備1/3以内:単独で整備する場合)
  ○ 採択要件
  
  ① 受益面積が30a以上
    ② 園芸産地総合戦略等の計画に基づく取組であること
    ③ 受益農家が3戸以上であること
    ④ 事業導入により、次のいずれかの効果が見込めること
     ・収量5%以上向上
     ・収益5%以上向上
     ・その他収益力の向上(目標、指標の設定が必要)
    ⑤ 導入する施設、機械が産地における普及率が10%未満または導入面積3a未満で 
       あること
    ⑥ 設備のみの整備も対象とする
  ○ 助成対象例
環境制御
細霧冷房

 (3)スカイベリー栽培に取り組みたい
対象事業:スカイベリー生産拡大支援事業
  ○ 事業主体:農業協同組合、農業生産組織 等
  ○ 補助率 :4/10以内
  ○ 採択要件
    ① 園芸産地総合戦略等の計画に基づく取組であること
    ② 受益農家が3戸以上であること
    ③ スカイベリーの栽培を継続する取組であること
    ④ 地域内への波及効果が確実に見込めること
    ⑤ 設備のみの整備も対象とする
  ○ 助成対象例

点滴潅水循環扇高機能ハウス

(4)加工・業務用野菜を作ってみたい
対象事業:加工・業務用供給産地育成支援事業
 
○ 事業主体:農業協同組合、農業生産組織 等
  ○ 補助率 :施設4/10以内、機械1/3以内
  ○ 採択要件
    ① 受益面積が30a以上
    ② 園芸産地総合戦略等の計画に基づく取組であること
    ③ 受益農家が3戸以上であること
    ④ 実需者との協議に基づく実効性のある取組であること
  ○ 助成対象例
トマト収穫機

(5) 新品種を導入したい
 対象事業:新品種導入産地改革支援事業
  ○ 事業主体:農業協同組合、農業生産組織 等
  ○ 補助率 :1/3以内
  ○ 採択要件
    ① 受益面積が10a以上
    ② 園芸産地総合戦略等の計画に基づく取組であること
    ③ 受益農家が3戸以上であること
    ④ 農業試験場が導入した新品種であること
     ・いちご「なつおとめ」
     ・りんどう「るりおとめ」
     ・うど「芳香1号、2号」
○ 助成対象例
ハウス

2 事業の手続き
  事業の募集期間は、5月26日(月)から6月18日(水)までとなっています。

  事業は、市町を経由して農業振興事務所に申請することになりますので、要望がある場合は、事前に最寄りの農業振興事務所にご相談下さい。

要領等は、以下のホームページから入手できますので、ご活用下さい。
   http://www.pref.tochigi.lg.jp/g05/itigoyasai/engeijigyo.html

フロー

3 Q&A
 
Q1)複数市町村にまたがる場合の具体的な手続き方法は?
 A1)原則として、受益面積の最も大きい市町村又は代表者の所在する市町村を経由して  
    申請します。

  Q2)収益力向上モデル産地育成支援事業で既存ハウスの高機能化は可能か?
 A2)環境抑制や高温抑制、低コスト・省力化に関する装置であれば可能です。
    詳細は、農業振興事務所にご確認下さい。
問い合わせ先

5 参考(本県園芸生産の現状)
(1)園芸生産の現状
本県のH24年の農業産出額は、H23年に比べ127億円産出額
増加し、2,786億円、全国順位は過去最高の8位となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

米麦、園芸、畜産のバランスのとれた農業構造の確立を目指して、首都圏農業を推進してきた結果、園芸の占める割合が最も高く、最近10年間の園芸算出額の増加率は全国2位となっています。

園芸割合

増加品目

 

(2)野菜生産の特徴野菜構成比
 野菜の産出額は増加傾向にあるものの、
「いちご」、「トマト」の2品目で約46%を占め
ています。

  • 「いちご」、「トマト」など、施設利用型野菜の生産が多い。
  • 野菜産出額は増加傾向にあるものの、作付面積は減少傾向にある。

 

(3)野菜需要の動向
近年、単身世帯の増加、女性の社会進出等のライフスタイルの変化により、食の外部化が進展しており、野菜の購入形態は、生鮮野菜からサラダ用などの、キット・カット野菜などに大きく変化しています。

野菜購入

野菜の年間購入量は、健康ブーム効果などから、トマトでは増加傾向、キャベツ、たまねぎは、安定的に推移する一方で、洋食化の影響などから、だいこん、きゅうり、はくさいなどは減少しています。
消費増減 
 

 (4)最後に
以上のような背景などを踏まえ、県では、園芸生産の面的・量的な拡大を図るため、ご紹介した県単事業を募集しています。

国の農政改革やTPPなどの国際化が進展する中で、農業の収益力を向上させるため、積極的な活用をお願いします。

水田転作野菜として『うど栽培』を始めてみませんか

段々と春めいてきましたが、みなさんは、この季節をイメージする「うど」は、本県が全国的にも生産量トップであることを御存知でしょうか?県では品種開発も行っており、平成 年に品種登録した「栃木芳香1号」「栃木芳香2号」(下の写真)は、いずれもこれまでの主力品種である「紫」に比べて茎の色が白くて見栄えが良く、また多収性であるという品質・収量ともに優れた品種であり、現在、県内のうど生産地における導入を進めています。

★詳しい品種特性はこちら(別紙リンク)

 

写真1

 

平成24年度の東京都中央卸売市場における山うどの出荷量を見ると、本県が271トンで出荷量では全国一の産地であり、本県と群馬県で東京市場をほぼ独占していることが分かります。
 うどの出荷形態には、「山うど(緑化うど)」と光を完全に遮断して栽培する「軟化うど」の二つのタイプがあります。軟化うどは東京都立川市を中心とした産地が古くから有名です。軟化うどに関しては市場出荷統計の資料がないため確実なことは言えませんが、山うどと軟化うどを併せても、本県は全国屈指のうど生産県ということになるようです。

図1

 

 本県におけるうど栽培は昭和55年に大田原市で始まりました。本県で、これだけ「うど」が生産されるようになった理由には、水田農業が広く展開されている本県において、以下のとおりメリットが高い品目であるという点があります。
【メリット1】水稲栽培との労力競合が少ない(定植3月→収穫12月頃)
【メリット2】管理作業の手間が比較的少なく、新規に取組みやすい
【メリット3】労働生産性が高い

***これらのメリットについてもう少し詳しく解説します*****

山うど栽培の経営試算を表2に示しました。この試算は100a経営の場合ですが、水稲との労力競合がほとんどなく、10a当たり所要労働時間も178時間と極めて少なく、所得率も40%となっており、うどは労働生産性の高い野菜だと言えます。

表2 山うど栽培の経営試算(10a当たり、農業経営診断指標から抜粋)

表2

また、作業管理の目安時期は以下のとおりですが、水田の管理作業最盛時期との競合がないため、効率的に年間作業ができることになります。

栽培のポイントは、排水の良いほ場を選定し、定植前から排水対策を十分に行っておくことが重要です。また、うどは連作すると生育がわるくなる(連作障害)ため、水稲との組み合わせによる4年1作程度の輪作が必要です。
 うどの病害虫としては、黒斑病やアブラムシ類が発生しますが、他の野菜類に比べて病害虫の発生が少ないため防除労力は少なくて済みます。
 掘り取った根株は、パイプハウス内に作る半地下式の伏せ込み床に並べて伏せ込み(電熱線を設置)、土をしっかりと詰め十分かん水します。かん水2~3日後、土表面が乾いてきたら、もみ殻を2回に分けて入れます(1回目:10cm、2回目18cm)。伏せ込み後、温度をかけてから25~30日で収穫となります。もみ殻から突き抜け、葉が淡い緑色になったものを順次収穫します。

 生育状況

 

 

 

 

根株の伏せ込み

 

 

 

 

山ウドの収穫作業

 

 

 

 

 

 

 

 

***さいごに***************************

 今回の国の農政改革においては、土地利用型農業において「主食用米編重ではなく、需要のある作物の生産を行い、自ら経営判断で作物を選択する状況を実現する」ことを目指すとしています。このため、米の直接支払交付金が段階的に削減され、代わりに、新規需要米や麦、大豆、地域作物等への転換を図っていくことが進められています。そのための支援策も国及び県で講じていく予定です。

みなさんも、こうした制度の動きに対応して、新たな園芸品目に着目し、土地利用型農業のレベルアップを図っていきましょう!

************************************参考】 県内のうど栽培面積(平成25年度:農業振興事務所調べ)表1

 

 ===問い合わせ先===
栃木県農政部経営技術課
技術指導班
TEL:028-623-2313
FAX:028-623-2315
============

 

なしの老木園の改植をしましょう!!

 本県なし生産の主力品種である“幸水”“豊水”は、栽培が開始されてから40年以上が経過しており、萎縮病や白紋羽病により各地で生産性の低下や樹の枯死等が年々増加しています。このような中でも、なし主産県をはじめ、多くの県で新品種が開発・導入され、産地間競争はますます激化してきています。
 
 皆さんのほ場においても、そろそろ「改植による樹の若返り」を検討する時期にきているのではないでしょうか?

   特に改植の1~2年目は、改植にコストがかかる上に生産物が減るため所得が減少します。そのため経営やほ場の状況に応じて効率的に樹の若返りを図っていくことが必要です。
 そこで、今回は「新品種への転換」「栽培手法の切り替え」について、記事にしましたので、改植の際の選択肢としてみてはいかがでしょうか。

 1 「新品種」へ転換してみませんか?
 新品種を一部導入するなどにより、品種構成を見直すことは、最も作業が集中する収穫期の労力分散が図れることや、販売チャネルの拡大につながるメリットがあります。
 
 ここで、導入するお薦めの栃木県開発品種を紹介します。

【にっこり】 平成8年品種登録
 “にっこり”は、晩生品種で食味が良好なことはもちろん、収量性が極めて良いことから、本県なし栽培面積の1割を超えるまでに拡大しています。

          “にっこり”

【おりひめ】 平成25年2月品種登録申請
 “おりひめは、幸水よりも早く収穫でき、果実外観・食味ともに優れた有望な早生品種です。
 販売実績はまだありませんが、収量性が幸水とほぼ同等であるとともに、8月の盆の需要期に収穫できることから、高単価販売が期待できます。


          “おりひめ”

<“おりひめ”の主な特徴>
☆収穫期:8月上中旬で幸水より早い
☆果 重:平均370g程度で、早生種の中では大果
☆食 味:果肉は繊維・石細胞はほとんど感じない糖度は12%で、果汁が多く酸味が少ない
☆病 害:黒斑病抵抗性、えそ斑点病非発現性、黒星病に強い


 下の表は、これらの品種も一部導入した、長期出荷を目指した品種構成の例です。

 

2 「根圏制御栽培」を導入してみませんか?
 
ある程度まとまった規模で改植する場合には、栃木県農業試験場で開発した“根圏制御栽培”をおすすめします。改植面積の1/2程度に根圏制御栽培を導入することにより、改植後の早期収穫とともに、地植え苗木の余裕をもった育成が可能となります。

★ここでは、経営評価でメリットの認められている“幸水”について紹介します。
 
根圏制御栽培では、定植2年目から収穫が始まり、3年目にはほぼ樹形が完成し、4年目には”幸水”の場合10a当たり約5tの収量が得られます。地植え平棚栽培の場合は、樹形完成までに10~15年程度の年数が必要で、収量は10a当たり2.5~3t程度です。なお、根圏制御栽培導入に要する経費を表1、導入後の経営試算を表2に示しました。


※点滴ドリップ方式は、給水制御装置により強制給水する方式で、電源の確保が必要です。
※底面給水方式は、毛細管現象を利用して給水する方法です。給水用配管設置条件として、ほ場に傾斜があると導入できない場合があります。
※根域が地表から隔離されるため、土壌病害の影響は受けません。

 表1 露地根圏制御栽培導入経費の一例 (単位:千円/10a)

※水源確保費用はほ場により大きく変動するので試算に含まれていません。

表2 改植後“幸水”を導入した場合の経営試算 (単位:千円/10a)
※根圏制御栽培は、定植後2年目から収穫が始まります。
※底面給水方式では定植3年目、点滴ドリップ方式では4年目に導入経費を上回る累積所得となります。
※導入10年後では、10a当たり累積所得で700万円程度の差が生じます。

 

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 改植を始め、経営改善をお考えの方のためには、各種支援事業もあります(下表)ので、効果的に活用しましょう。
 改植や関連事業に関しての御相談がありましたら、県生産振興課、経営技術課または最寄りの農業振興事務所にお問い合わせください。
 

 ※事業導入には一定の基準があります。
 
 

<この記事のお問合せ先>
栃木県農政部経営技術課
技術指導班
TEL:028‐623‐2313
FAX:028‐623‐2315