意欲ある農業者販路開拓支援事業(マルシェ栃木推進事業)のご紹介~平成26年度登録者募集のお知らせ~

   今回は、皆さんが手塩にかけて育て上げた生産物や、その加工品の販路開拓を支援する事業のご紹介です。

〇  意欲ある農業者販路開拓支援事業(マルシェ栃木推進事業)について

  この事業は、こだわりを持って高品質な農畜産物を生産し、加えて自ら流通や販売まで取り組もうとする「意欲ある農業者」の皆さんを対象とした事業です。

   主に都内で開設する「マルシェ栃木」での消費者への対面販売や、同じく都内を中心に開催する「食材提案会」でのレストランシェフやバイヤーに対する商品紹介を実施し、消費者やバイヤー等のニーズに対応した商品づくりや販路開拓を支援します。

写真1  

写真1「マルシェ栃木」

 

 

 

 

写真2   

写真2「食材提案会」 

 

〇平成26年度の取り組み

  今年度は、3つのチャレンジプログラム(①一般消費者向け、②業務用向け、③商品開発)を設け、各プログラム内のそれぞれの取組にテーマを設定しています。

    このため、参加者の皆さんがお持ちの課題にマッチした取組を的確に選択することができ、強い目的意識を持って参加いただくことで、より高い効果を期待できる取組内容となっています。

  また、今年度の新しい取組として、県内のサービスエリアへ向けた食材提案会を予定しています。

 近年、地域産品購入の場として注目されているサービスエリアに食材、商品の提案を行うことで、都内だけではなく、県内での取引増加にもチャレンジします。

 各取組の開催内容は、下記を参考になさってください。

 

             図1 平成26年度の取組内容 図1

 

〇目標達成に向け、アドバイザーを派遣します

  上記の各取組に参加いただくに当たっては、アドバイザー制度をご活用ください。

皆さんのほ場や工場に専門的知識を持ったアドバイザーがお伺いし、課題の克服、あるいは目標達成のための相談をお受けします。

 経営発展、販路開拓へ向けた、貴重なアドバイスを得ることができると思います。

 

〇 平成26年度の登録者を募集しています!

 ぜひ、「意欲ある農業者販路開拓支援事業」に参加・登録いただき、「需要に適応した商品づくり」や「販路開拓」につなげてみませんか。

 
  「いい商品はある。でも販路が見つからない。」
  「商品の価値に応じた、適正な価格で取引したい。」
  「消費者ニーズに対応した商品を開発してみたい。」
 

 こんな思いをお持ちの生産者の方は、下記までご連絡・ご相談ください。

 

   【問い合わせ先】
    栃木県農政部経済流通課マーケティング対策班
     電話:028-623-2299
     Eメール:keizai-ryutu@pref.tochigi.lg.jp

   または、最寄りの農業振興事務所までお問い合わせください。

 

 

 

水田転作野菜として『うど栽培』を始めてみませんか

段々と春めいてきましたが、みなさんは、この季節をイメージする「うど」は、本県が全国的にも生産量トップであることを御存知でしょうか?県では品種開発も行っており、平成 年に品種登録した「栃木芳香1号」「栃木芳香2号」(下の写真)は、いずれもこれまでの主力品種である「紫」に比べて茎の色が白くて見栄えが良く、また多収性であるという品質・収量ともに優れた品種であり、現在、県内のうど生産地における導入を進めています。

★詳しい品種特性はこちら(別紙リンク)

 

写真1

 

平成24年度の東京都中央卸売市場における山うどの出荷量を見ると、本県が271トンで出荷量では全国一の産地であり、本県と群馬県で東京市場をほぼ独占していることが分かります。
 うどの出荷形態には、「山うど(緑化うど)」と光を完全に遮断して栽培する「軟化うど」の二つのタイプがあります。軟化うどは東京都立川市を中心とした産地が古くから有名です。軟化うどに関しては市場出荷統計の資料がないため確実なことは言えませんが、山うどと軟化うどを併せても、本県は全国屈指のうど生産県ということになるようです。

図1

 

 本県におけるうど栽培は昭和55年に大田原市で始まりました。本県で、これだけ「うど」が生産されるようになった理由には、水田農業が広く展開されている本県において、以下のとおりメリットが高い品目であるという点があります。
【メリット1】水稲栽培との労力競合が少ない(定植3月→収穫12月頃)
【メリット2】管理作業の手間が比較的少なく、新規に取組みやすい
【メリット3】労働生産性が高い

***これらのメリットについてもう少し詳しく解説します*****

山うど栽培の経営試算を表2に示しました。この試算は100a経営の場合ですが、水稲との労力競合がほとんどなく、10a当たり所要労働時間も178時間と極めて少なく、所得率も40%となっており、うどは労働生産性の高い野菜だと言えます。

表2 山うど栽培の経営試算(10a当たり、農業経営診断指標から抜粋)

表2

また、作業管理の目安時期は以下のとおりですが、水田の管理作業最盛時期との競合がないため、効率的に年間作業ができることになります。

栽培のポイントは、排水の良いほ場を選定し、定植前から排水対策を十分に行っておくことが重要です。また、うどは連作すると生育がわるくなる(連作障害)ため、水稲との組み合わせによる4年1作程度の輪作が必要です。
 うどの病害虫としては、黒斑病やアブラムシ類が発生しますが、他の野菜類に比べて病害虫の発生が少ないため防除労力は少なくて済みます。
 掘り取った根株は、パイプハウス内に作る半地下式の伏せ込み床に並べて伏せ込み(電熱線を設置)、土をしっかりと詰め十分かん水します。かん水2~3日後、土表面が乾いてきたら、もみ殻を2回に分けて入れます(1回目:10cm、2回目18cm)。伏せ込み後、温度をかけてから25~30日で収穫となります。もみ殻から突き抜け、葉が淡い緑色になったものを順次収穫します。

 生育状況

 

 

 

 

根株の伏せ込み

 

 

 

 

山ウドの収穫作業

 

 

 

 

 

 

 

 

***さいごに***************************

 今回の国の農政改革においては、土地利用型農業において「主食用米編重ではなく、需要のある作物の生産を行い、自ら経営判断で作物を選択する状況を実現する」ことを目指すとしています。このため、米の直接支払交付金が段階的に削減され、代わりに、新規需要米や麦、大豆、地域作物等への転換を図っていくことが進められています。そのための支援策も国及び県で講じていく予定です。

みなさんも、こうした制度の動きに対応して、新たな園芸品目に着目し、土地利用型農業のレベルアップを図っていきましょう!

************************************参考】 県内のうど栽培面積(平成25年度:農業振興事務所調べ)表1

 

 ===問い合わせ先===
栃木県農政部経営技術課
技術指導班
TEL:028-623-2313
FAX:028-623-2315
============

 

夏秋どりいちご「なつおとめ」をつくりませんか?

~需要に対して全国的に生産量が少ない、夏秋期のいちごが求められています!~
 
いちごは年間を通じて、ケーキやスイーツなどへの需要がありますが、国内では7~10月の夏秋期に生産量が少ないため、主にアメリカ等からの輸入いちごが年間約4,000トン利用されている状況です。

輸入量推移グラフ 
 [平成24年 いちごの月別輸入実績*貿易統計より]

 
 そこで、いちご研究所が開発した夏にも収穫できるいちご「なつおとめ」をつくってみませんか?

なつおとめ断面

なつおとめほ場

 

 

 

 

 

【なつおとめの特徴】
・四季成性で高温・長日条件下で花芽分化が促進され、夏秋期(7~10月)にも収穫ができる。
・食味が良く、果実断面が赤色で、スライスした際の見栄えが良い。
・炭そ病、うどんこ病に強く、栽培しやすい。

 などであり、洋菓子店などからは色や形がきれいな上に、適度な酸味があるなど、高い評価を得ています。
 また、生産者からは病気に強い上、収量性も高いなどの、良い評価を得ています。

P1040845

[なつおとめを使用したケーキ]

 

 なつおとめジェラート5
                                [なつおとめジェラート]


【生産状況】
 栽培は、夏季でも比較的冷涼な地域が適しているので、現在、那須塩原市、那須町、日光市等県北地域を中心に28戸、126アールで栽培されています(H25年度)。
 近年では、クラウン部冷却技術や換気の工夫などで真岡市や小山市でも栽培が始まっています。
 なつおとめの栽培は、定植を3~4月に行い、株を養成(充実)させた後、7~11月頃まで収穫が可能です。  ★夏秋いちごの作型

 10a当たりの収量が、4トンを超える優良事例も見られており、安定栽培技術が確立されつつあります。 

【販売状況】
 なつおとめの最大の魅力は、冬のいちごに比べて単価が高いことで、冬のいちごはキロ当たり900~1,000円程度ですが、なつおとめは平均で1,500円程度と高値で取引されています
 販売先は、①市場出荷、 ②洋菓子店との直接取引、③直売所 と産地の実状に合わせて多様です。
 市場出荷では写真のようなソフトパックで出荷されています。暑い時期の出荷となることから、色まわりが早く品質管理には注意が必要となります。

なつおとめパック

[ソフトパックでの出荷形態]

 【H24年の県全体の販売実績】
出荷量   :14t(104%)
販売金額 :2,237万円(110%)
キロ単価  :1,576円(106%)

【経営評価】
 いちご研究所において、実際に栽培している生産者のデータを元に、10a程度新規導入する際の経営モデルを試算しました。
・労働時間は8か月(4月~11月頃)で 2,500時間をします。
・所得率は56%程度(冬いちごは41%程度)。
  →暖房機や夜冷庫がいらず、簡易な雨除けハウスで栽培が可能なため、冬いちごに比べて初期投資を抑えることができます。
・家族2人の場合、収穫期(7月~10月頃)の労力確保が課題となります。

 目標収量を10a当たり2.5トンとした場合、粗収益は約412万円となり、極めて労働集約型で高収益な経営が可能です。

【生産拡大支援】
県では、なつおとめの生産拡大に向け、園芸用ハウスの整備を支援しています。

〔事業概要〕
・事業名   新品種導入産地改革支援事業(県単)
・補助対象 なつおとめ栽培用園芸用ハウス
・事業主体  農業協同組合、農業生産組織等
・事業期間  平成25~27年度
・補 助 率  1/3以内
・受益面積  10a以上
・予 算 額  5,000千円

 なつおとめの栽培に興味がある方は、最寄りの農業振興事務所または生産振興課までお問い合わせください。
 ※なつおとめの栽培は県内に限られています。
 ※親株の販売・配布は毎年11月中旬頃に行っています

〈問合わせ先〉
生産振興課
TEL 028-623-2328 FAX 028-623-2335
メール: seisan-sinko@pref.tochigi.lg.jp

農業分野における知的財産権の活用 その②(特許権編)

 (前回:農業分野における知的財産権の活用 その①(育成者権編)https://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/member/2012/12/20) 

 今回は、農業分野における知的財産権のうち「特許権」について御説明いたします。

「特許権」とは?
 
私たちの生活を将来にわたり豊かにしていくためには、新しい技術開発が継続的に行われ、どんどん社会に還元されるような流れが必要です。このため特許庁では、優れた技術(発明)を考え出した者に権利を与えて保護し、そのかわりに技術を一般公開し、次の新しい開発に役立ててもらおうという仕組みを管理しています。この発明を行った者に対して与えられる権利が「特許権」です。日本では現在、特許を出願した日から20年間にわたり、発明を独占的に利用することが認められています。

 
例えば「カボチャの空中栽培法(平05-341569)」と呼ばれる特許があります。北海道の民間会社(新生商事)が登録しているものですが、パイプハウスの骨組みを利用してカボチャを栽培し、実がなってつり下がっている様子がUFOのように見えることからネーミングされました(http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082801000485.html)。実が土と接触しないため、変形や傷みのない高品質なカボチャが収穫できるということです。こういうものが特許になるの?と思われるかもしれませんが、実は普段当たり前のようにやっていることでも、他者からみれば素晴らしい技術やアイディア、つまり知的な財産なのです。部会やグループで開発した新しい栽培技術などを特許化すれば、他者は真似のできない競争力の強いブランド化した生産物の販売につながります。このブログをきっかけに、特許化にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

特許が認められるためには
 
特許が認められるためには、1『考案された技術が“発明”であるかどうか』、2『特許を受けるに値する内容かどうか』が問われます。
 
 まず、考案された技術が「発明」であるかということに関してですが、以下の4点を満たしているかどうかが問われます。
 【発明として認められるための4点】
 
①自然の法則に従っているものであるか(占いの方法や、ゲームのルールなどはダ メ)
 ②
技術的思想であるか(他人に技術を伝達できること)
 
③単なる発見ではなく創意されたものであること
 
④技術的に高度なものであるか

 次に、特許を受けるに値する内容かどうかについて、以下のようなものであるかどうか等が審査されます。
 【特許を受けるに値するかどうかの視点】
 ①産業に利用できるものであるか(実験レベルのものではないこと)
 
②新しいものであるか
 
③容易に考案できるものではないか
 
④未だ誰も出願していないものであるか(日本は先願主義といって、早いもの勝ちです)

 余談ですが、植物の新品種開発は、日本では工業的な製品とは異なるということで、「育成者権」という権利に分けています。 

特許出願の流れ
 
特許を出願するには、特許庁に対して特許願、明細書など自分の発明の内容と、特許を請求する範囲などを説明するための資料を提出します。書類の作成は、弁理士と呼ばれる専門家にお願いします。

 出願にあたっては、他の者が類似した特許を出願しているかどうかや、既に論文等で発表されていないかといった、先行事例調査なども依頼することも必要となります。

 特許庁に対して書類を提出されますと、以下のように特許の登録までは少し複雑な経過をたどります(図1)。

   特許の登録までには多くの費用が必要となります。特許出願料や出願審査請求料に加え、登録後に必要な料金として、 ‘年金’と呼ばれる毎年の登録更新料が必要となります。

 【参考】登録に必要な産業財産権関係料金一覧(2012年4月1日以降)
 http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/hyou.htm 


特許権のメリット 
 
特許の利用を希望する企業等に利用の許諾を行うことで利用料を得ることができます。
 特許権を許諾することでどのようなことが可能となるかということですが、主に特許技術を利用した商品の宣伝や販売となります。発明者は、通常は許諾相手から販売額に応じて利用料を徴収できます。もちろん、自らが商品を販売し、他には利用させないということも可能です。


栃木県が取得した農業に関する特許の例
 
栃木県では、新品種の育成の他にも、農業試験場等で開発された技術のうち特に優れたものについては特許を登録しています。現在は5件の登録がありますが、その中から「いちご栽培装置(閉鎖型)」(特許第3841984号)をご紹介します(図2)。

 2本のパイプに不透根シートをたるませてU字状にかけ、そこにクリプトモス等を主とする培地を入れていちごを栽培するのですが、その外側にもう一枚、防湿性シートをたるませて不透根シートとの間に空気槽を設け、暖気用ダクトを通すという構造です。培養液の滴下にも工夫がしてあり、余剰な培養液を再度利用するような構造となっており、余剰液は極力出さないエコロジカルな栽培装置です。


~さいごに~ 
 
先ほどの、「カボチャの空中栽培法」の例などの一部は、「農林水産知的財産ネットワークポータルサイト」http://aff-chizai.jataff.jp/において検索することが可能です。特に、最近では農産物の加工法などの登録も散見されるようになってきましたので、6次産業化を考える際のヒントを得たり、あるいは実際に開発者から許諾を受けて加工品を商品化するなど、これからの展開に是非とも御利用されることをお勧めします。 特許について興味のある方は、県経営技術課又はもよりの農業振興事務所まで、お問い合わせください。

 【参考】平成24年度知的財産権制度説明会(初心者向け)テキスト(とても良い資料です。)
  http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/h24_syosinsya.htm

 

<問い合わせ先>
農政部経営技術課(栃木県農産物知的財産権センター)
電話 028-623-2313 FAX028-623-2315 
メール agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

6次産業化商品の魅力をテストマーケティングで引き出してみませんか!

6次産業化の実践で生み出した商品が、多くの消費者に注目され、「売れる商品」となって初めて、“6次産業化に成功“したとなります。

 “6次産業化に興味はあるけど・・・”、“商品は作ってみたけど・・・”スカイツリー

本格的に6次産業化にチャレンジしようとする農業者の方を応援するため、県では、東京ソラマチ内のアンテナショップ「とちまるショップ」や毎月18日、県庁1階ロビーで開催される「けんちょうde愛ふれあい直売所」でのテストマーケティングやアンケート調査のお手伝いをしています。

【とちまるショップでのテストマーケティング】
 東京ソラマチ内にある栃木県のアンテナショップ「とちまるショップ」のイベントスペースを活用して、商品開発や商品の魅力向上を図るため、定期的に6次産業化商品の試食や販売、アンケート調査などを行います。
全体像

 アンケート調査の結果は、6次産業化プランナーなどの専門家から、どうしたら「売れる商品」になるかなど、商品開発に向けたアドバイスをいただくこととしています。

これまでに出店された農業者の方からは、
 ○パッケージの工夫が必要なことがわかった(一口サイズやワンコインで購入できる価       
  格設定)
 ○ “美味しい”という評価をいただいた
 ○ 消費者の生の声を聞けるので、また参加してみたい
 などの感想をいただいています。

今牧場前田牧場

 H25年度も、継続して「とちまるショップ」でのイベントを継続する予定です。参加に関しては、詳細が決まりましたら、ホームページ等でお知らせします。  

【けんちょうde愛ふれあい直売所の6次産業化コーナー】
 毎月18日頃、県庁1階ロビーでは、6次産業化コーナーを設置し、6次産業化を実践する農業者の方を応援しています。

 毎回、3ブースを用意していますので、是非ご参加下さい。詳しくは、農政課農政戦略推進室にお問い合わせ下さい。

【問い合わせ先】
  栃木県農政部農政課農政戦略推進室
 電話:028-623-2284

いちごパッケージの変遷と消費者の評価

 いちごがおいしい季節になりました。スーパーや直売所にもたくさんの県産いちごが並んでいます。
 
 ところで、このいちごのパッケージ、いつ頃から今の形になったのか?、皆さんご存じでしょうか。そこで今回は、いちごのパッケージがどのように変わってきたのかについてご紹介し、さらに消費者調査の結果から今後の方向について考えてみたいと思います。

 

いちごパッケージの変遷

 

 

昭和20年代から30年代前半
 いちごは木箱で出荷していました。(果実はイメージです)
 当時は、各農家が材木屋などから材料を調達し、自ら釘打ちをして箱を作っていたそうです。相当な手間ですね。

 

 

昭和30年代中頃から30年代後半→
 木箱から段ボールになりました。(果実はイメージです)
 500gの小箱が3つあるいは4つ入った形だったようです。

 

 

←昭和30年代後半以降
 段ボールから塩ビパックの導入が進みました。
 塩ビパック導入に際しては、アメリカの流通事例などを参考にしたといわれています。

 

 

綾小路きみまろさんの「あれから40年!」ではありませんが、それ以上の期間、今のレギュラーパックの形がほぼ続いています。

 

いちごパッケージリサーチ

 

 

 そこで、いちご研究所では、現在のレギュラーパックを含め、いろいろな容器がどのように消費者に評価されているのか、グループインタビューによるリサーチを行いました。

 

 (参考)グループインタビューは、司会者が出すテーマに対して、参加者が自由に話をしてもらう形式で行う調査です。
 アンケート調査と比べて、参加者の意見交換からより広く、多くの情報が得られるメリットがあります。

 

【いちごパックの評価】

 グループインタビュー調査では、県内に住む20代の女性5名、30代の女性6名、50・60代の女性5名の3つのグループの方にご協力いただき、それぞれ別の日に調査しました。

 評価の対象としたパッケージは、レギュラーパック(A)、平詰めパック(B)、フタ付きパック(C~E)、スタンドパック(F)、個別包装容器(G)の7種類です。

 

  • レギュラーパック(A)の評価
     レギュラーパックに対する評価は表のとおりでした。

  各年代の消費者とも、レギュラーパックに対して定番の安心感がある一方で、パックの持ち運びや扱い方に難点を感じていることが確認できました。

 ここでは、その他のパックに関する評価結果は割愛させて頂きますが、それぞれ要点をお伝えしますと、次のような特徴がありました。

  • 平詰めパック(B)・・・高級感を感じているが、割高な印象を受けている。
  • フタつきの容器(C~E)・・・持ち運びや扱い方の容易さで評価が高い。量と価格のバランスで評価が分かれた。
  • スタンドパック(F)・・ボリューム感とお買い得感が評価。家庭用として一定の需要はある。
  • 個別包装容器(G)・・・自分で買うイメージはない。販売対象はごく限られる。

 

【いちごパックの今後の方向】

 今回のリサーチ結果から、今後のいちご容器の方向性について考えてみました。

 現在のレギュラーパックは持ち運びや取り扱いの点で難点を感じているものの、量と価格の面で他の容器と比べて満足度が高いようです。

 レギュラーパックの容器代は、パック4円、フィルム4円の合計8円程度ですが、フタ付きの容器代は20円以上になり、消費者にとって割高なイメージとなっています。

 今後のパッケージを検討する際は、持ち運びの容易さとともに、パックコストの削減や収穫パック詰めの工程見直しなどによる、量と価格のバランスがとれた方法を考えていく必要があると思われます(ポジショニングマップ点線内部がその条件に相当します

   

 

   これからの展開としては、業界内外の知恵やアイディアを得ながら、容器のプロトタイプを作り、グループインタビューなどの方法により消費者のストライクゾーンを絞っていくことが重要と考えられます。

   果物のマーケットは全般的に縮小傾向にありますが、「変化する消費者心理を掴みながら、より良いものを常に追求・提案していくことが、業界の活性化や発展につながっていく」と考えます。

 

【問い合わせ先】
農業試験場いちご研究所 TEL:0282-27-2715  FAX:0282-27-8462
いちご研究所HP : http://www.pref.tochigi.lg.jp/g61/ichigo-kenkyusyo.html
メールアドレス    : 
nogyo-s-ichigo@pref.tochigi.lg.jp

一年の計は1月にあり(一年の計は元旦にあり)

 多くの農業経営では、決算期が12月末となっており、1月には新たな会計期を迎えます。そのため、1月(正月休み等)は、年間の栽培技術の反省及び資金運用面での計画作りを考えるよい時期になっています。こうしたことは、決算期でなければなかなか見ようとはしないことなので、1月は経営改善のチャンスの月です。1年の計、1月に考えて見ませんか。

<①決算書を経営改善に活用する>
  青色申告者の多くは、決算書を税の確定申告に使うのみである場合が多いかと思います。しかし、実は決算書こそが、経営の反省や計画づくりに役立つのです。
  認定農業者であれば、認定申請書の5か年計画(経営改善計画書)を作成し、目標規模、目標収入等の数値化ができているので、目標に達するための反省と課題を専従者(家族)等で決算書を見ながら話し合うことができると思います。

<②技術改善計画の立て方>
 決算書を見て、数字から経営の弱点をみつけましょう。年間出荷量及び販売額で見ることが出来ます。また、月別の等級別出荷量及び販売額の集計を出すことによりさらに技術の弱点が見えてきます。自分で集計していなければ、お金がかかるかも知れませんが農協生産部会担当者に頼み、月別集計表を出してもらうなどの手法もあります。そこで、自分の単収、平均単価を見て、昨年度の自分と比較し、今年の技術改善策を立てましょう。

 もう一つは、部会平均や部会トップ層との比較により、技術改善を図るポイントを見つけ出しましょう。生産部会の総会で技術の反省を行っていますが、決算書を合わせてみることも重要です。

    売上高=生産量(販売量)×販売単価
            =(単収×規模)×販売単価

  ※ 売上高は、販売量に販売単価を乗じて算出されます。つまりは、販売量を増やすか販売単価を上げれば、売上高が伸びる。販売量は、単収を上げるか規模を増やすことで増える。

  経営の単収が低ければ、肥培管理や栽培管理(病害虫防除、作業効率)、手が回らなかった点を専従者(家族等)と話し合いましょう。また、販売単価であれば、優品率低下や出荷時期の遅れなど伝票(集計表)などから読み取り、改善策を出して取り組んでみましょう。

<③資金繰り計画の立て方>
 つぎは、資金繰り計画の見直しです。景気の低迷により、農産物価格が低下する中、資金繰りに苦しむ経営が出てきています。栽培計画がしっかりとしていても、資金繰りが計画的でない場合、思うように経営が改善しません。1年の始まりに、収支計画を立て、資金ショート(不足)を起こさないことが重要です。

  月毎に支出する費用と入金する売上高を昨年度の実績を踏まえ、作付規模を考えて予定を立てます。経営に使える現金、預金を出します。

 

  月毎に計算された合計は、必ずマイナスにならないことが重要で、実績などから立てた予定が年間収支でプラスであるのに、月毎では、マイナスになる月があるのであれば、短期借入金の借入れも考えることが必要です(借入金をする場合には、収入項目に借入金欄を設けて記入して下さい)。基本的に資材等支払日をかえることでマイナスがなくなるのであれば、資材等購入時に支払日を指定して購入するよう、購入先との交渉を考えましょう。

  また、借入金の返済額が大きく、単年の返済ができないのであれば、借入金の返済計画を見直すことを融資機関に相談しましょう。1年間に返済できる額がどのくらいなのか、また、返済月がいつならば資金ショート起こさないかを考えなくてはなりません。無理のない計画を立てることが重要です。

 今までは、返済できていたのに、,急に返済できなくなったという人の中には、自分がいくら借りているのか、どのような返済計画になっているのか把握していないケースが多いようです。借入金について把握していないところに、売上高が伸びないや売上高が減少してしまうと、返済が困難になってしまうのです。

 資金繰り計画が出来たら、計画よりも売上高を高く、支払い額を少なくするよう無理なく、努力していきましょう。絵に描いた餅にならないように。

<④計画を立てるにあたって>
  ワタミ取締役会長の渡邉美樹氏は、起業するにあたってや経営改善をするときに、経営目標とする数字に「日付」を付けて手帳に書いていたそうです(規格化された手帳も出ています。”夢をかなえる手帳”)。夢を達成するために、「いつ」までに達成する。その過程に「どんなこと」を「いつ」すると書いて、いつも見て行動していたそうです。
 経営者として成功している人の行動規範を参考に、まずは、経営を見直すことから始めて、夢を実現するための経営改善に取り組んでみませんか。
 是非、経営の目標をもって、経営改善に取り組んでください。

※参考
農林水産省では、平成24年5月より、経営改善計画に沿った経営改善を着実に進めるため、「新たな農業経営指標」を作成し、取組の自己チェックと経営データの簡易診断が行えるようになりました。(農林水産省省HP参照:http://www.maff.go.jp/j/ninaite/shihyo.html

 

あなたが作った「とちぎのいいもの」を首都圏に売込んでみませんか!!

 県では、販路開拓に意欲のある事業者・生産者の販売促進活動を支援しています。

 今回は、販路拡大の取組を支援する「とちぎのいいもの販売促進事業」のご紹介です。

 「プロ農家」のあなたが自信を持って作り出した、「とちぎのいいもの」を「首都圏に向けて」売り込んでみませんか?

これまでの状況と事例紹介】
 首都圏に新たな取引先を開拓したい!、商品開発は得意だけど、どうやって売っていけばいいのかわからない…、引き合いは多いけど、条件が合わなくて…。

 実際に売込むにあたっては、こんな悩みがでてくると思われます。

 そこで、栃木県東京事務所に「とちぎのいいもの」販売推進本部を設置し、首都圏等におけるマーケティングの最前線基地とすることとしました。
とちぎのいいものまるごと商談会の様子
 商品の売込みにあたっては、同本部の販売や流通の専門家がお手伝いします。

 売り込み先や方法などを相談し、百貨店、大手スーパー、レストラン、ホテル、卸・食品商社等への働きかけを行います。

 売り込んだ結果を踏まえ、商品のブラッシュアップに対しても助言を行います。

 昨年度から事業が開始され、これまで60事業者の286商品が登録されており、売込みを始めています。

 その結果、大手百貨店での商談が成立したり、有名レストランとの取引が始まった他、ネットショッピングの商品に採用されるなど、首都圏での販路開拓が始まっています。

【支援内容】
 販路開拓に対するサポートとしては、

  ① 個別商談の立会い・助言、現地調査対応等
  ② 全国規模の展示商談会への出展支援
  ③ 「とちぎのいいもの」まるごと商談会の開催(都内)
  ④ 百貨店・デパートの催事出展サポート
  ⑤ 通販、ネットショッピングへの出展サポート
  ⑥ 販路開拓に関する商品情報等のフィードバック       を行います。

【事業者及び商品の基準】
 県が支援する対象者は、県内の農業者または農業者が組織する団体で、首都圏に向けて販路を開拓しようとする意欲ある事業者としています。

 また、対象商品は、県内で生産、収穫された農産物であること、または県内で製造・加工された加工食品であり、首都圏に向けて安定した製造量や出荷量が確保されていることが条件となっています。

 応募の方法は、募集要領に基づいて、売込のターゲットや商品の魅力や背景、安全安心に対する取組などを記載した商品提案書を申込書と一緒に以下の問い合わせ先にある観光交流課へ提出し、商品登録します。

 登録された商品については、東京に設置された「とちぎのいいもの販売推進本部」担当者が、商品の特徴と事業者の販売の意向を踏まえながら、首都圏の有名百貨店、ホテル等への売込をお手伝いします。

 詳しくは→http://www.pref.tochigi.lg.jp/f05/iimono3.html


【問い合わせ先】
 栃木県農政部経済流通課マーケティング対策班     電話:028-623-2299
 又は産業労働観光部観光交流課とちぎ特産振興担当 電話:028-623-3307
 メール:tochiginoiimono@pref.tochigi.lg.jp
 ホームページ:http://www.pref.tochigi.lg.jp/f05/iimono3.htm

農業経営のステップアップのため、農業大学校の研修を活用しましょう!

 今回は農業大学校が実施しているプロの農業者の方等を対象とした各種研修について、紹介します。
 農業経営の向上を図るためには、高度な生産技術の習得はもちろんのこと、販路開拓・商品企画・6次産業化等についての知識・スキルを学ぶことが重要です。

 皆さんは、10年後の経営ビジョンをお持ちですか?そのビジョンに向かって、現在の経営は発展していますか?
 現在のように社会の変化が激しい中では、自分では現状を維持していると思っていても、実際には社会の流れに乗り遅れてしまっている場合もあります。

 「判断すること」、「決定すること」、その一つ一つが将来へ向けて経営発展していくためのターニングポイントなのです。経営向上・改善や自分自身のスキルアップのために、一歩踏み出してみることが重要です。

 以下に農業大学校が開催しているプロの農業者の方の更なる経営改善に役立つ研修を紹介しますので、ぜひ、この機会にスキルアップを図ってみてはいかがでしょうか?

 

<経営改善を目指す方のための「とちぎ農業ビジネススクール」>

 とちぎ農業ビジネススクールは、農業経営の改善を目指す方のための研修で、経営改革プランニング、経営者マインドセミナー及び経営スキルセミナーで構成されます。

 栃木県内にお住まいの農業者で、
①経営の高度化に強い意欲を持つ方
②生産力だけではなく需要に応じた商品作りや販路開拓を目指す方
③新たな農業経営を展開しようとする方
以上のような方等が対象です。

 講師は、全国ベースで活躍する著名な経営実践者や各専門家で構成されます。スクール後半には研修終了後の実践を前提に、各研修生の経営内容に応じた経営改革プランを作成します。

○開催期間:7月から翌年3月の20日間
○対象:経営の高度化を目指す本県在住の農業者で、農業従事経験がおおむね5年以上で40歳程度までの人
○定員:20名
○募集時期:5月頃(24年度は募集終了)

図1図2

 

 

 

 

http://www.nodai.pref.tochigi.lg.jp/Business.htm

 

<6次産業化(農産加工など)を目指す方は「食と農の起業家養成研修」>

「食の街道」づくりを支援するため、起業活動に必要な知識や技術を体系的に学習します。受講対象は、栃木県内にお住まいの農村起業グループの構成員または農業者です。 

H24の開講内容(24年度は募集終了)

表1

 http://www.nodai.pref.tochigi.lg.jp/SyokutoNou.htm

 他にも「農業機械研修」「とちぎ農業未来塾」などの研修がありますので、スキルアップを図りたい方や新しく分野を学びたい方は、お問い合わせください。

 

とちぎ農業ビジネススクール受講者の事例紹介>

 農大の研修を活用して多くの方が経営・生産・加工等のスキルの向上を図っています。その中の一人である高橋ゆかりさんを紹介します。

 高橋さんは、那須町で酪農経営に携わっています。良質な牛乳を活用したチーズは、農産物と一緒に幅広く料理に活用でき、周囲と連携しながら、地域活性化にも貢献できると考えたことが、この研修を受講するきっかけです。

 生産から財務、加工等の実践的な研修により高橋さんは、自分の家の経営や他の農産物の生産現場についての知見を深め、現在は、戦略的にチーズを中心とした加工品の生産・販売に取り組んでいます。

 皆さんも高橋さんのように、農大の研修を活用して、自分自身の能力向上や経営改善を考えてみてはいかがでしょうか?

 県は、プロの農業者の方々の経営力向上を支援します!

<問い合わせ先>
栃木県農業大学校教務部(研修担当)
TEL:028-667-4944
FAX:028-667-4943

 

農業分野における知的財産権の活用 その①(育成者権編)

 今回は、農業分野における知的財産権(育成者権)の概要と注意点、さらに知的財産権を活用した経営事例についてご紹介します。

 今後、これまで以上に、農業分野における知的財産権の重要性は増してくると考えられます。

 知的財産というと、皆さん自身が品種登録等の知的財産権を取得し、権利を守ることで経営向上を図るということが、まず思い浮かびがちですが、それだけではなく、知的財産権は全て法律で保護されているものなので、プロの農業経営者としては、他者の知的財産権を侵害しないようにしなければなりません

 知識のないまま、いつの間にか他者の権利を侵害してしまい、思わぬ損害を相手に与え、場合によっては刑事罰が科されることもあります。

 プロの農業者としては、知的財産権について充分な知識を持っていることが必要不可欠です。

 これから知的財産権(育成者権)について順を追って説明していきます。皆さんの農業経営・生産にお役立てください。 

知的財産の定義と種類

 知的財産とは、一般的に人間の知的、創造的な活動によって生み出された経済的に価値のある物やアイディアを指します。

 知的財産のうち、特許庁や農林水産省に登録を行うことによって、開発者の独占的な権利が認められるものは7つあります(図1)。

 この中で、農業分野に最も関係の深いものは「種苗法」により新品種の育成者に与えられる「育成者権」です。

図1

 

種苗法と品種登録について

 安定した農業生産を行い、均質な生産物を収穫して販売するためにも、優れた特性を持つ「品種」を選定し、信頼性の高い業者等から優良な種苗を手に入れることは極めて重要です。

 このため、「種苗法」という法律が、新品種の登録や種苗の流通を適正に管理するために存在します(引用資料①)。

 既存の品種よりも更に優れた特性を持つ品種を作り出すことは、農業を活性化することにつながるため、国では、品種育成者に「育成者権」という権利を与えています。

 これにより、我が国では昭和53年に品種登録制度が整備されて以来、2万を超える品種が登録されており、現在でも年間1000を超える品種登録出願が行われています(図2)。

 図2

 

 新品種として登録するためには、農林水産省所定の審査を受ける必要があります(引用資料②および③、表1)。

表1

 

 無事に審査が済めば、登録料を支払うことで植物なら25年間、樹木類なら30年間の間、育成者権が認められます(表2、図3)。

表2

図3

 

 「育成者権」を持つことで認められる行為も、種苗の生産、譲渡(販売)等と多岐にわたっており、優れた品種を開発すれば生産販売で儲かるだけでなく、ロイヤリティ(許諾料、利用料などのこと)を徴収することで、更に莫大な収益が見込めるわけです(表3)。

表3

 

種苗法の落とし穴

 しかし、種苗法という法律をよく知らないために起こる困った事案があります。

 皆さんが生産している種苗は、品種登録されたものでしょうか?

 そして、それは育成者権が有効な期間中のものでしょうか?

 もし該当する品種であれば、種苗から生産して生産物を販売する行為は認められていますが、許諾された内容によっては、余った苗や、生産終了後の株を勝手に他人に販売する行為は法律違反です。

 もちろん、種子についても同じです。

 実際に、インターネットを通じて、生産終了後の春に、無許可でいちごの苗を販売していた事例がありました。

 県では、農産物知的財産権センターがこのような行為を監視しており、販売者に対して種苗法の違反である説明を行い、販売を中止するよう警告しています。

 悪質な場合は、刑事罰も科せられますので、適正に生産を行いましょう(引用資料④)。

 

栃木県における知的財産権の活用事例

 栃木県内にも、生産者でありながら新品種育成を行い、育成者権を利活用して有利な経営を行っている方がいます。

 県では、農業分野において生産者が自ら知的財産権を取得し、経営の向上に結びつけた実績を評価して、平成20年から「栃木県農産物知的財産功績表彰」という事業を行っています。

 これまでに8件の表彰を行いましたが、特許権、商標権、育成者権など様々な知的財産権を生産者自らが取得され、ブランド化や販路拡大などに活用されています(表4)。

 表4

 

 このうちの一人、川村一徳(かわむらかずのり)さんをご紹介します。

 川村さんは日光市で(有)ジョルディ・カワムラ(引用資料⑤)を経営されています。

 川村さんは、ペチュニアの仲間であるカリブラコアの品種開発に取組み、平成15年に初めてオリジナル品種ティフォシーパープル及び同ブルーを品種登録出願し、花色や、草姿に優れ、栽培しやすい品種を開発し続けています。

 現在は、登録品種が11品種、出願公表中の品種が4品種あります(図4)。

図4

 最近では一般的になったこの花も、当時は珍しく、また、花色も多様であったことから市場性が高く認められ、日本でも有数の産地の形成に成功されました。

 先見の明があったことはもちろんのこと、ブランド化を図るため、品質管理を徹底して秀品のみを販売したり、ラベルやポップの作りにもこだわり、高級感をもたせるような商品に仕上げるなど経営感覚にも優れていたことが、高い評価につながりました。

 品種登録により自らの優位性を着実に確保しつつ生産販売を拡大したことで、売り上げも、平成23年度には100万鉢・1億4500万円を挙げるなど、カリブラコア生産の第一人者として活躍されています。

 最近では、イオンビームを利用した新しい突然変異育種にも取り組んでいるとのことで、新規な形質を持った商品性の高い新品種開発にも期待がかかります。

 

知的財産権の取得に向けて

 知的財産権を持つことは、競争優位性を確保して経営面で有利な立場に立てることはもちろんですが、それに加えて、最新の手法による新品種開発や、新たな市場の開拓にも挑戦するなど、経営を高度化する意欲を高めることにもつながるのではないでしょうか。

 品種登録は、決して楽なハードルではありませんが、過去にも優れた品種を篤農家が開発した例はたくさんあります。

 何よりも作物の特性を一番知っているのは、皆さんなのですから、個人でも、グループでも結構ですので、是非ともオリジナル品種の開発に取り組み、自らが育成者権を持った新品種の開発を行い、経営に取り入れてはいかがでしょうか

 県では、農産物に関する知的財産権の取得に関して、アドバイスを行う窓口を設けております。相談は無料ですので、お近くの農業振興事務所か経営技術課までお問い合わせください。 

<お問合せ先>
経営技術課 栃木県農産物知的財産権センター
電話:028-623-2313 FAX:028-623-2315 メール:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

<引用資料>
①種苗法(法務省のHPより) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO083.html
②農林水産省品種登録HP(登録品種に関する情報満載)  http://www.hinsyu.maff.go.jp/
③品種登録と育成者権(ブログ中で引用したパンフレットの本文、入門手引きに最適) http://www.hinsyu.maff.go.jp/pvr/pamphlet/120726seido.pdf
④登録品種は適正にとりあつかいましょう(パンフ)http://www.hinsyu.maff.go.jp/pvr/pamphlet/080819tekiseiriyou.pdf
⑤(有)ジョルディカワムラ http://www.giardino-k.com/

 

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。