【7/22(月)開催】令和元(2019)年度 とちぎスマート土地利用型農業研修会 (第1回) 開催します!

「最先端の技術開発の状況」や「県内での新技術を導入する取組」を紹介することにより、農業者が規模拡大を進め水田のフル活用を実現する一助となることを目的に「とちぎスマート土地利用型農業研修会 (第1回)」を開催します。
今回の研修会では、栃木県が実施している新技術実証フロンティア事業で、省力化や品質に与える影響などを実証中の水管理システムを紹介します。

○日時:2019年7月22日(月) 10時30分~12時00分

○場所:鹿沼市下南摩町地内
※駐車場:出会いの森総合公園(鹿沼市酒野谷1335-3)
研修会場は駐車できません!駐車場から無料バスで会場まで移動します。バス移動開始9時30分からで、移動時間は5分程度です。

○内容
1 「水管理システムの導入について」((有)農業生産法人かぬま)
2 「WATARASの紹介」(株式会社関東甲信クボタ)
3 「padich gate02+の紹介」(株式会社笑農和)
4 「水田farmoの紹介」(株式会社ぶらんこ)
5 「農地の集積・集約化、省力化に向けた基盤整備」(農地整備課)
(県HP)
 http://www.pref.tochigi.lg.jp/g05/20190722_new_technology_workshop.html

<お問い合わせ先>
・栃木県農政部生産振興課
・TEL 028-623-2279

 

6次産業化に踏み出すには〈土地利用型農業での取組事例を参考に〉

 今回は、6次産業化を実践している県内の先進農業者の取組を通じて、新たに加工や販売に取り組む際に重要なことを掘り下げてみたいと思います。

【加工を外部委託する6次産業化】

 
Aさんは、米、麦、大豆、そば、露地野菜で大規模土地利用型の農業を営んでいます。
 
 6次産業化に挑戦したのは7年ほど前のこと。
  今では、自ら生産した農産物を原料としたうどんやそばなどを道の駅や直売所、直接取引などで販売しており、これら加工品の売上げは、農産物と合わせた総販売金額の約1割を占めています。

 Aさんの6次産業化の特徴は、自ら加工施設を整備して加工するのではなく加工技術を持つ食品企業に製造を外部委託して、それを自ら販売するというところです。

 

図
 【外部委託方式のメリット】

 外部委託方式には、大きなメリットがあります。
 ひとつは加工機器を導入する設備投資が必要ないことです。

 新しい事業に取り組む場合、せっかく設備投資をしても売れなければ全て無駄になってしまいます。

 この点、外部委託は、最低ロットなどの制限がありますが、設備投資に比べればリスクは相当低いと言えます。

 2つめは、外部委託のため、農業者自らが、食品製造に必要な様々な許可や資格などが必要ないことです。加工施設は、一般的に食品衛生法の基準を満たすための許可申請などが必要となる場合が多く、加工する農産物や加工方法によって基準は全て異なるため、法令を理解し十分な準備が求められますが、この必要が全くないというのは、新事業に踏み出すハードルを下げてくれます。

 また、外部委託で加工品を製造し、少しずつ事業を拡大していく中で、製造業者の加工技術のノウハウ、商品表示やラベルの付け方、関係法令などの利知識を習得して、将来の設備投資に備えることや、消費者のニーズや販路の状況を踏まえてビジネスを育てていくことが出来ます。

 このように、何から何まで全て自分で行わず、外部委託を上手に活用して、6次産業化の実践に踏み出すのは、比較的リスクが少なく、加工や販売などのスキルを徐々にアップしていけるメリットもあり、全課程を自ら行うよりは、比較的取り組みやすいかもしれません。

 さて、Aさんの取組をもう少し深く見てみます。


【パートナー企業を見つける、販路を確保する】

 
外部委託方式の6次産業化で最も難しいのは、①パートナーとなる食品企業を見つけること、②適正価格の設定と着実な販路を確保し、拡大していくこと、です。

 「①パートナーとなる企業を見つけること」について、Aさんは、展示商談会、首都圏で行われるマルシェなど、あらゆる機会を利用して自らの取組をPRし、そこで知り合った人的ネットワークの中から、比較的小ロットでも対応可能で、高い加工技術を持つ食品企業探しています。商工会議所にも加入し、今もネットワークを拡げる努力をしています。

 お話を聞いて印象的だったのは、「ようやく見つけた県外の食品加工企業に電話で加工委託をお願いしたらその場では断られたものの、すぐに原材料を持って高速道路を使って会社を訪問、直接折衝の末、加工を請け負ってもらった」という内容でした。

 食品企業も、出来るだけ大口で、継続した相手からの仕事を受けたいと考えるのが普通であり、高い技術を持つ加工企業で、小ロットから請け負うことが可能であって、農業者の思いを汲んで一緒に仕事の出来る会社は、電話帳やインターネットなどではなかなか探すのは難しいようです。

 目指すことを実現するために、幅広いネットワークを築くこと、そして、自分の考えや取組を理解してもらうために直接相手と交渉して熱意を伝えていく行動力や情熱が必要だということかと思います。

 「②適正価格の設定と着実な販路を確保し拡大していくこと」については、まず価格ですが、Aさんは、労賃を含めた農産物の原材料単価を、再生産価格から適正に算出し、さらに外部委託の加工費などを含めて製品の価格を決定しています。

 商品の価値を適正に評価していただける顧客を見つける、というポリシーのもとで販売を開始しましたが、事業開始当初は、全然売れない商品を近所に無料で配り歩くことも多く、やっぱり止めようか、と思うこともあったそうです。

 Aさんは、農産物を観光客の多い道の駅で販売していました。加工品も道の駅を拠点に販売しつつ、前述したようにあらゆる機会を通じて商品の魅力のPRに努めました。

 また、Aさんのこだわった農法に共感して農産物を購入してくれている顧客や、そのネットワークを通じて徐々に販路を広げていきました

 同じ農産加工品でも、大手食品企業との価格競争では厳しいものがありますが、徐々にAさんの商品の強みや商品づくりに込めた思いが理解され、原料や製造にこだわった商品を求める顧客が繰り返し買ってくれるようになったそうです。


【まとめ】

 
今回は、「外部委託」方式で新たな事業に踏み出すハードルを低くし、6次産業化の事業を比較的緩やかに発展させていく方式を、土地利用型農業での取組事例を参考に紹介しました。

 この方式はたくさんのメリットがありますが、パートナー企業を見つけ出すこと、あらゆる機会に人的ネットワークを拡げていくことも成功の鍵を握っているようです。

 参考までに、国が6次産業化の経営発展をイメージとして示したものが下図です。今回ご紹介した事例は、企業的経営移行期から6次産業化確立期に位置づけられる手法と考えられます。

図(国)
 [参考URL]
◇ 6次産業化先進100事例(農林水産省)
  http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika/jirei/index.html

◇ 第6チャンネル(6次産業化に関する様々な情報が入手できます。)
  http://www.6-ch.jp/

 

【問い合わせ先】
栃木県農政部農政課農政戦略推進室
電話:028-623-2284
メール:agrinet@pref.tochigi.lg.jp
または、最寄の農業振興事務所までお問い合わせください。

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

第2回水田経営とちぎモデル・実践セミナーの講演内容の紹介

 平成24年8月に開催した、第2回の水田経営とちぎモデル・実践セミナーの講演の一部をご紹介します。

 講師は、農山村経済研究所長の楠本雅弘氏。「とちぎ農業ビジネススクール」でもおなじみの先生です。

 以下、講演の概要です。
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《経営管理の基本ポイント》

◇ 今後の経営管理のポイントは金=財務の管理。経営規模や販売額の大きさで評価するのは古い発想。損益計算書だけを見ていても進まない。

◇ 経営状況は経営面積ではなく10a当たりの利益で比較すること。固定費が高いのが、土地利用型農業の特徴であり、固定費の割合を下げていかないと経営は発展しない。

◇ 20~30haへの規模拡大はコストを下げ、経営維持できるという考えもあるが、10haからの設備投資が大変。大規模化をめざすなら、その点をどうするか、将来設計をしっかり立てること。

第2回セミナーの様子
《規模拡大をめざすために必要なこと》

◇ 規模拡大を進めるには、自己資金・負債・固定資産・運営資金などの「資金管理」が最重要ポイント。

◇ 安定的に規模拡大してくためのポイントは

 ① 賃借対照表の中味の検討を行い、毎月経営状態の確認など経営管理を徹底する。
 ② 家計と経営を分離し経営に必要な資金を家庭で使い込まない(どんぶり勘定は厳禁)。
 ③ 減価償却費を必ず積み立てる。減価償却費を積み立てておけば、継続的な機械・施設更新が可能(別に口座を作り、隔離して管理する)。
 ④ 利益を内部保留し、その分を規模拡大の資金とすること。絶対に借金で拡大しない。

◇ 全国的には、50ha、70ha規模でも地代の支払いや農地の買取り負担で、経営が立ち行かなくなるケースもみられる。特に、農地の買取りには注意が必要。
 
◇ 農地は買わず『借りる』のが基本。機械は投下した資本を減価償却することで回収できるが、農地は償却できず、使ったお金の回収が不可能となる。

 講演後には、規模拡大のポイントとなる農地の管理に関する質問が多数出ました。

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 講演内容や質疑の詳細については、こちらの講演要旨をご覧ください。
       ↓
 第2回実践セミナー講演要旨(PDFファイル)

 平成24年度は、「土地利用型経営における経営管理のポイント」等をテーマに、2回の実践セミナーを開催し、のべ約500名の方に参加をいただきました。
 
 今後、さらに各地域で1~2回のセミナー開催を予定していますので、是非ご参加ください。

関連記事:実践しましょう 「水田経営とちぎモデル」 

 
 
【お問い合わせ先】

  栃木県農政部生産振興課                                        
    TEL:028-623-2279  FAX:028-623-2335          
    ホームページ   http://www.pref.tochigi.lg.jp/g05/index.html
    メールアドレス  seisan-sinko@pref.tochigi.lg.jp
   または、お近くの各農業振興事務所(河内・上都賀・芳賀・下都賀・塩谷南那須・那須・安足)サポートチームまで

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。

実践しましょう 「水田経営とちぎモデル」

 今回は、「水田経営とちぎモデル」についてご紹介します。

 今、県内各地では、大豆・そばの収穫、麦播きなど、冬本番を前にした農作業が行われています。

 本県では、高い乾田化率等の優位性を活かして全国有数の土地利用型農業が展開されていますが、とちぎの農業がさらに成長、進化していくためには、この水田農業の維持発展が鍵となります。

 データによれば、県内では、20ha規模の経営体が400を超え、50ha規模の経営も100に向かって増え続けています。さらには、米の直接販売や農産加工品の販売に取り組み、所得を着実に伸ばしている事例も多数見られるようになりました。

 ◇◇◇水田経営とちぎモデルとは◇◇◇

 「戸別所得補償制度」が導入されて3年が経ちますが、皆さんは、5年後、10年後を見据え、どのような水田経営の姿を描いていますか?

『農地を集め、規模拡大を図っていきたい。』

『目標の農地は集まったので、園芸品目を導入して、さらに収益性を高めたい。』

『生産に加え、雇用労力を上手く生かすために農産加工にも取り組みたい。』

 「水田経営とちぎモデル」は、めざす姿を実現するための「所得目標」や「取組のポイント」を具体的に示した実践的な経営モデルのことです。

 規模拡大や多角化など3つの方向に沿って具体的なモデルを提案しています。

具体的なモデル
 
※モデルの詳細や経営試算は、下記ホームページの「推進指針」をご覧ください。
  http://www.pref.tochigi.lg.jp/g05/tochigimodel.html

 めざす経営規模は10ha?それとも20ha? 所得の目標は?

◇ 規模拡大をめざす二毛作モデルでは、主食用米・小麦(パン用)・大豆・新規需要米を組み合わせた20ha個別経営で、粗収益約3,000万円、純利益1,400万円となります。
  同じ品目で、50ha組織経営の場合は、純利益3,100万円との試算です。

◇ 一定規模以上に規模拡大を進めた上で、複合化・多角化に取り組む場合の純利益は、  アスパラを導入した50ha組織経営で3,800ha万円、餅加工を取り入れた20ha個別経営で1,700万円となります。

 みなさんの経営と比較していかがでしょうか?

 試算結果は、少し高い目標設定となるかも知れませんが、県内でも、モデル以上の経営をしている先進農家がたくさんいます。

  ◇◇◇地域の特徴を生かした経営発展が大切です!◇◇◇

 県内の農地の約8割は水田ですが、それぞれの地域で圃場の大きさや形、整備の状況も違います。また、中山間地域の水田農業も重要です。

 そこで、各農業振興事務所では、それぞれの地域の特徴を活かして、独自のモデルを設定、推進しています。

 規模拡大を中心に、複合化、加工や販路拡大へのチャレンジなど、経営規模や所得目標に合わせて、経営のステップアップをめざしていきましょう。

【各地域で推進する経営モデル】各地域で推進する経営モデル

 最後に・・・

 県内では、各地域で「人・農地プラン」の作成が進んでいます。地域の話し合いに参加していますか。

 プランに位置づけられる「地域の中心となる経営体」の方に、ぜひ実践していただきたいのが、「水田経営とちぎモデル」です。

 「水田経営とちぎモデル」を実践して農業所得の向上をめざしましょう!

関連記事: 第2回水田経営とちぎモデル・実践セミナーの講演内容の紹介
 

    ◇◇◇◇◇◇皆様の取組をサポートしていきます!◇◇◇◇◇◇

 経営相談や実践セミナーへの参加、経営発展に向けた実践プログラムの作成、必要な機械・施設の導入補助に関する要件の確認などについて、ご相談を受け付けています。

 各農業振興事務所にサポートチーム(相談窓口)を設置していますので、まずはお問い合せください。

サポートチーム

【お問い合わせ先】
  栃木県農政部生産振興課                                        
    TEL:028-623-2279  FAX:028-623-2335          
    ホームページ   http://www.pref.tochigi.lg.jp/g05/index.html
    メールアドレス  seisan-sinko@pref.tochigi.lg.jp
   または、お近くの各農業振興事務所(河内・上都賀・芳賀・下都賀・塩谷南那須・那須・安足)サポートチームまで

※ 栃木県農政部の情報は、「とちぎファーマーズチャレンジネット(http://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/)」や「栃木県農政部ツイッター(http://twitter.com/tochigi_nousei)」でも発信していますので、是非、ご利用ください。