りんどう新品種「るりおとめ」について

 昨年6月に、りんどう新品種「るりおとめ」の出荷が始まりましたが、皆様は御存知ですか?

 本県のりんどう栽培は、パイプハウスを利用した無加温半促成栽培による5月下旬からの早出し出荷が主力であり、全国一の早出し産地となっています。しかし、県内産地の極早生系統は、バラツキが大きく、生産性が低いことが大きな問題となっていました。採花期の様子

 そこで、県農業試験場では、半促成栽培に適した極早生系で、揃いの良いF1品種の育成に取り組み、平成21年に「リンドウ栃木1号」を開発しました。
 昨年の6月から「るりおとめ」(平成23年9月9日商標登録)として、本格出荷が行われており、市場からは花色が非常に良いなど高い評価を得ています。

【るりおとめの特徴】
 「るりおとめ」は、県内で栽培されている系統から選抜して組合せ検定を行い、その中から生まれた、品質や開花揃いが良い収益性の高いF1品種で、次のような特徴があります。

 ・極早生で、無加温半促成栽培では6月上旬から出荷可能。
 ・開花開始から頂花開花までの期間は5日以内と短く、揃いが良い。
 ・着花段数は平均7段と多く、市場出荷の最高規格である「90cm、6段以上」の割合が高い。
 ・茎が4mm以上と太く、草姿が良い。花色は、濃紫色で斑点が少ない。
 ・2年目以降の萌芽数は10本以上と多い。

るりおとめの特性

出荷体系

 こうした優れた特性が、りんどうの上位等級の出荷量を向上させ、生産者の皆さんの経営安定に役立つことが期待されています。

鮮やかな濃紫色の花色

 るりおとめ

【導入のメリット】
 「るりおとめ」は極早生系統ですので、半促成栽培では6月上旬から出荷が可能であり、
産のピークとなる8月以降に比べ、競合産地も少ないことから高値で取引されます。
 また、開花開始から頂花開花までの期間が5日以内と短く、揃いが良いので、効率的に出荷することができ、出荷調整しやすい利点があります。
 さらに、平均着花段数が多く、上位等級の割合が高まることに加え、2年目以降の萌芽数が多いことから、生産性の向上が期待されます。

【栽培のポイント】
 「るりおとめ」の肥培管理は、基本的に一般のりんどうと変わりませんので、特別な技術は必要とせずに栽培できます。
 ただし、潅水については、以前はりんどう栽培では、節間を伸ばし過ぎないように潅水量をある程度制限する管理が主流でしたが、これまでの概念にとらわれず、たっぷりと潅水してください。水田のように圃場全体に水を張っても問題ありません。
 また、一斉に開花するため、収穫時の労働力確保や収穫時期の分散が必要となります。

 【平成24年度の生産状況】
 平成24年度は、那須、塩谷地区で61a栽培されました。栽培風景

 面積

【半促成栽培について】
 1月上旬からパイプハウスの2重被覆で保温(無加温)することで、6月上旬に収穫が可能となります。早出しすることで、他産地(岩手県、長野県等)との競合を避けることができます。

〔半促成栽培での主な作業〕半促成ハウス
● パイプハウス設置(12月上旬までに)
● 残茎(枯れた茎・葉)の処理(12月中旬までに)
● マルチカット(12月中旬までに)
● 施肥(12月中旬までに)
● ビニール被覆(12月末までに) 

 

【今後に向けて】
 
今後は、「るりおとめ」の普及により、既存産地の活性化はもとより、県内全域を対象に新たなりんどう産地の育成に取り組み、栃木県の早出し産地としての確固たる地位を確立していきたいと考えています。

※るりおとめを栽培するにはとちぎ農産物マーケティング協会りんどう研究会への加入が必要になります。

連絡先
生産振興課 果樹花き担当 電話:028-623-2329

 

いちご新品種「スカイベリー」について

 いちご新品種「スカイベリー」の商標登録後初の出荷が12月6日に始まり、東京や県内のデパート、高級果実専門店などで試験販売が開始されましたが、皆様はご存知ですか?

 本県は収穫量44年連続1位の「いちご王国」。この座を不動のものとし、いちご生産者の所得向上を図るため、開発されたのが「スカイベリー」です。

【スカイベリーの特徴】
 この「スカイベリー」は10万株を超える株の中から選ばれた、果実が極めて大きく、収量性が高く、食味が良く、病気に強いなどの優れた特性を持った新品種です。

 ◆ 25g(3L)以上の大果の発生割合が67%を占める(とちおとめは18%)。
 ◆ 収量は「とちおとめ」よりも3割程度多い。 
 
 
 ◆ 糖度は「とちおとめ」に比べやや低いが、酸度とのバランスが良いため、食味は良い。 
 
 

 ◆ 炭そ病及び萎黄病に対する耐病性が「とちおとめ」より強い。 
 
 平成6年の「とちおとめ」の開発から数えると17年ぶりの、待望の新品種です。

 その優れた特性から、新たな需要を開拓し、生産者の皆さんの経営安定に必ず寄与すると期待されています。

【今年度の生産状況】
 今年度は、県内各地で58名の生産者の皆さんによって、約2.5ヘクタール栽培されています。

今年度の生産状況スカイベリーの栽培状況

 なお、昨年度の栽培を踏まえ、品質向上を図るため、定植時期を9月20日前後、出荷開始を12月上旬に統一した作型で栽培に取り組んでいますが、現在の生育は病害虫による大きな被害もなく、概ね順調に生育が進んでいます。 

【栽培上の課題】
 一部で果実の着色に関する課題があることから、さらなる安定した栽培技術の確立に向けて、現地検討会の開催や「いちご研究所」における試験研究などに取り組んでいます。
 
現地検討会の様子

【県単事業(ハード事業)】
 県では「スカイベリー」が施肥量や温度管理などで「とちおとめ」と異なる面があることから、生育環境を整えることができる高機能ハウスの整備を今年度事業化して支援をしています(新品種「栃木i27号」実証栽培支援事業)。

【苗の増殖】
 来年度に向けては、さらに面積を拡大するため苗の増殖を行っていますが、各JAフリー基地における増殖は概ね順調です。

 平成26年冬の本格出荷に向けて、栽培に必要な苗の供給体制を今後も整備していく予定です。

【販売に向けての取組】
ソフトパック 販売に目を向けますと、現在、都内の百貨店や高級果実専門店を中心にテストマーケティングを行っていますが、市場関係者からは食味に関しては概ね良い評価をいただいています。

□主な販売店における評価 
 店舗A:大果で食味が優れる
 店舗B:形、食味ともに良い 
 店舗C:外観、食味ともに概ね良い 

 なお、現在も「とちおとめ」より2~3割程度高値で取引されています。大玉率が高いことから単価も良くなっています。  

  
 今後も、テストマーケティングを継続し、関係者や消費者からの評価をいただくとともに、「とちまるショップ」をはじめ、様々な機会をとらえてPRをするなど、「スカイベリーブランド」を確立していく予定です。

お披露目イベント

【今後に向けて】
 こうした取組を通して、「スカイベリー」が「いちご王国とちぎ」を支える新たなスターに育つよう、今後とも生産者の皆さんや農業団体と一体となって取り組んでいく考えですので、来年度栽培に取り組む意欲がある方は下記までにお問い合わせください。

 

【問い合わせ先】
  生産振興課いちご野菜担当
    TEL:028-623-2328、FAX:028-623-2335
    メールアドレス seisan-sinko@pref.tochigi.lg.jp

  または、最寄りの各農業振興事務所まで