2026.8.27

生産者特集

ひと房に何度も向き合う。🍇ぶどう農家が語る“旬”をつくる仕事🍇 ~小林一夫ぶどう園~



スーパーや直売所に並ぶ、つややかに色づいた一房のぶどう。私たちはその姿から夏の訪れを感じます。しかし、その美しい一房が完成するまでに、生産者がどれだけの時間と手間をかけているかを知る機会は多くありません。この記事では、「とちぎの食と農業アクションプロジェクト」noteに掲載されている記事の内容を抜粋してご紹介します。


とちぎの食と農業アクションプロジェクト・・・生産・加工・流通・消費のそれぞれの立場の人たちが、お互いを理解し、応援し合うこと ー 一人ひとりの食や農業への応援に向けた「一歩踏み出す行動」をお手伝いする取組みです。




「いっぱい実ればいい」ではない“引き算”の美学


栃木市大平町の「小林一夫ぶどう園」で三代目を務める小林美香さんは、夫婦で農園を守りながら約25品種のぶどうを栽培しています。シャインマスカットや巨峰など、多彩な品種を育てるのは、お客様それぞれの好みに応えたいという思いからです。


ぶどうづくりの仕事は、実を増やすことではなく、実を減らす「引き算」の栽培でもあるといいます。房には想像以上に多くの実が付き、そのまま育てると粒同士が押し合い、変形したり、十分な甘さがのらなかったりします。一粒ずつ実を間引く「摘粒」を手作業で繰り返しながら、形や甘みの整った一房へと仕上げていきます。


ぶどうのどこを「摘粒」するかで形が決まるので、その粒が最終的にどれくらい大きくなるか、その完成形を頭の中に描きながら間引いていくのはまさに匠の技。抜き過ぎれば房は寂しくなり、抜かなければ粒同士が押し合ってしまうのです。



摘粒をおこなった色づき前の巨峰



一房に、何度も向き合う。その積み重ねが「おいしい」をつくる


摘粒を何度も繰り返し、房の形を整え、粒の大きさを見極めるという苦労の末、仕上げに行うのが鳥や虫、雨風から大切な実を守る、袋掛け。手をかけて育ててきた一房を、最後に包み込む仕上げの作業で、小林さんは「プレゼントの最後のラッピング」と表現します。


一粒一粒を見極めて「摘粒」し、袋を掛け、日差しとタイミングを見ながら房の上に小さな傘を掛けたり外したりすること。そうした小さな判断を積み重ね、青果店やスーパーマーケットで売られている美しいぶどうになるという“ぶどうの美学”です。



夏だけの楽しみ。ぶどう園で味わう、とっておきの一杯


小林一夫ぶどう園では、旬のぶどうだけでなく、ぶどう100%ジュースや夏限定のかき氷なども販売しています。地域で育てた果実を地域で味わうことを大切にしながら、生産者と消費者がつながる場づくりにも力を注いでいます。



【「小林一夫ぶどう園」直売所で購入できる濃厚なぶどうジュース】



「とちぎの食と農業アクションプロジェクト」noteでは、小林さんの想いを更に詳しく掲載しています。